■発刊趣旨とご購入のご案内

　液晶、有機ELに代表されるFPDの2016年市場は、年央からの需要復活とそれに伴うパネル価格の上昇によって急回復を遂げ、後半は主要パネルメーカーが過去最高水準の好業績を上げるまでに上昇を続けました。4Kの普及による高解像度化、平均画面サイズの大型化に伴う生産面積の増加、旧ラインの閉鎖・集約による需給バランスの引き締まりなどが相まって、パネル各社は高い稼働率を維持し、中国や韓国からは液晶や有機ELの増産計画が続々と浮上しました。

　日本半導体製造装置協会（SEAJ）の調べによると、16年の日本製FPD製造装置の受注額（輸出を含む）は5765億円となり、7年ぶりに5000億円を突破した15年を上回って、05年以降の過去12年間で2番目となる高い受注実績を上げました。調査会社のIHSマークイットは、FPD製造装置の売上高が15年の68億ドルから16年は137億ドルに急増したことに続き、17年は177億ドル、18年は180億ドルにまで増加すると予測しており、16～18年の3年間は過去に例を見ない投資サイクルが続くと分析しています。

　17年はFPD産業の歴史的な転換点にも当たります。まず、発売10周年を迎えるアップルのiPhoneが初めて有機ELを搭載したモデルを発売するといわれており、これに追随するスマートフォンメーカーの需要に対応するため、これまで主役だった低温ポリシリコン（LTPS）TFTに代わり、韓国や中国で有機EL新ラインの建設計画が急ピッチで進みます。また、中国で計画されている世界最大のマザーガラスを用いたアモルファスTFT 10.5世代工場の稼働が18年に控えており、この実現に向けた重要な準備期間でもあります。

　本書は、主要FPDの網羅と、パネル別・各社別に市場戦略や設備投資計画、研究開発の動向を最新の取材で解説しているほか、韓国・台湾・中国の最新事情も収録し、世界のFPD産業を体系的に捉えた総合書に仕上げております。

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■内容構成