■発刊趣旨とご購入のご案内

　2015年の液晶、有機ELに代表されるFPD（平面型ディスプレー）市場は、ドル高に伴う新興国の通貨安が影響して液晶テレビをはじめとするセット機器の価格が上昇したことに加え、液晶パネル各社が高い稼働率を維持したことによる供給過剰が顕在化し、生産面積ベースでは数％の成長を継続したものの、11年以来の厳しい市況に見舞われています。

　一方、FPD各社の設備投資意欲は旺盛です。なかでも中国メーカーの投資意欲は衰えを知らず、8.5世代のテレビ用アモルファスTFT液晶パネル工場、6世代のスマートフォン用低温ポリシリコン（LTPS）液晶の新設計画が相次いでおり、有機ELやIGZOに代表される酸化物TFTの事業化にも積極的です。こうした中国メーカーの投資計画に先行するため、日韓台のパネル各社はアモルファスTFT液晶への追加投資を避け、高精細のLTPSや有機ELへ投資をシフトしており、これが新たな設備需要を喚起しています。

　本書は、FPD業界をマクロ的な視点から、またこれに参入している個別メーカーのミクロなデータを一冊にまとめ上げ、毎年ご好評をいただいているロングセラーです。主要FPDを網羅し、パネル別・各社別に市場戦略や設備投資計画、研究開発の動向を最新の取材で解説しているほか、韓国・台湾・中国の最新事情も収録して、世界のFPD産業を体系的に捉えた総合書に仕上げております。FPDメーカーおよび関連業界各社の取材・執筆・編集には、弊社が発行している国内唯一の電子デバイス業界専門紙『電子デバイス産業新聞』編集部が当たりました。

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■内容構成