商業施設内にクラフトビール専門店を導入する事例が増えている。2024年は「渋谷サクラステージ」といった話題の商業施設内に専門店や醸造所が誕生。さらに立地は多様化して、JR中央線などの高架下に醸造所を構える事例も複数登場している。クラフトビールは地元客の取り込み、個性的な店舗ラインアップの実現などが期待できる。25年は日本のクラフトビール（地ビール）誕生30周年を記念し、春に大規模なイベントも開催され、ますます注目を集めることが予想される。

■「第1次ブーム」の衰退から見事復活
　クラフトビールとはブルワー（ビール醸造士）たちの創意工夫で生まれた、個性と美味しさが両立した多様で魅力的なビールを指す。日本では1994年の酒税法改正により、ビールの年間最低製造数量が2000kLから60kLまで引き下がり、手軽にビール造りができるようになったのが始まりとされる。
　そのビールは「地ビール」と呼ばれ、第1次ブームの訪れとともに全国各地に小規模な醸造所がオープンし、醸造所数は400～500カ所に急増。しかし醸造技術が安定しないまま品質低下を招き、地ビールブームは衰退し、醸造所数は150カ所に減少した。この生き残った150カ所が味を追い求め、醸造技術を互いに教え合うことで、ビールの品質向上を実現。2010年にはクラフトビールと呼ばれるようになり、16～18年に第2次ブームが訪れ、現在に至っている。

---

関東／中部
千葉ステーションビルら、ペリエ海浜幕張、新エリアを今春開業、SM、幼児園など導入
近畿／中国
平和堂とカインズ、大津市に店舗1万m²、2階建ての2棟構成で
九州／四国
プライムプレイスら、リバーウォーク北九州、3月19日に改装開業、北九州初の飲食など導入
街づくり／都市開発
西日暮里駅前地区再開発、本組合の設立認可、商業棟5.5万m²などで構成
小売業界動向
Genky DrugStores、下期は39店の出店へ、大型店のS＆Bなども
ロジスティックス
東急不動産、白岡など3施設着工、冷凍冷蔵などに対応
店舗・施設関連
寺岡精工、新セルフオーダーシステム、29インチワイド型発売、ワンカルビに先行導入
ホテル＆サービス
フィットイージー 25年10月期、出店57店の積極展開、将来的に年間100店出店へ
外食産業動向
ブロンコビリー 25年12月期、新規出店は10店計画、関東、関西で展開加速