商業施設新聞
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第334回

(株)ピエール マルコリーニ ジャパン 代表取締役社長 蒲田考一氏


カフェを強化しブランド発信
通行量多いロケーションに出店

2022/6/14

(株)ピエール マルコリーニ ジャパン 代表取締役社長 蒲田考一氏
 「PIERRE MARCOLINI(ピエール マルコリーニ)」は、ベルギーを代表するチョコレートブランドで、ハートをモチーフにした可愛いチョコレートが女性に絶大な支持を得ている。2021年9月には、新たに日本法人の(株)ピエール マルコリーニ ジャパンを設立し、これまで以上に日本での展開に注力するという。代表取締役社長の蒲田考一氏に話を聞いた。

―― ブランドの特徴から。
 蒲田 1994年にショコラティエのピエール・マルコリーニ氏がベルギーで立ち上げ、ベルギー王室御用達として広く知れ渡り、ベルギーを代表するチョコレートブランドとして成長した。ピエール・マルコリーニ氏本人が世界中のカカオ農園に足を運ぶなどして探求したこだわりのカカオに定評がある。カカオの栽培や選別など直接関わることで、上質なカカオとチョコレートを生み出し、このようなピエール・マルコリーニ氏の一貫したカカオの取り組みは、仕入れ、製造、自宅まで美味しいチョコレートを届ける“Bean to Home”と表現されている。この考えや取り組みが多くの人から共感を得ており、近年のSDGsな考え方もブランド発足当時からいち早く体現しているといえる。

―― 客層は。
 蒲田 ピエール・マルコリーニ氏の高いカカオへのこだわりや、製造過程に共感する感度の高い女性が多く、リピーター率が高い。特に30代後半から40代、50代が中心だ。クリスマスやバレンタインなどギフティングオケージョンには、これに若い女性や男性客も加わる。ここ5~6年は、自分へのご褒美や友人同士で美味しいものを食べる機会に選ばれるチョコレートとして自家需要が伸びており、これを意識した商品開発も実施。まだ日本に上陸していない商品もいずれ提供したい。

―― 日本の展開について。
 蒲田 01年12月に1号店の「銀座本店」を銀座エリアの路面にオープンした。現在は、銀座本店、羽田店、名古屋店、グランスタ東京店、渋谷店、新宿店、御殿場プレミアム・アウトレット店、ラゾーナ川崎店の計8店を展開している。
 21年9月に設立した日本法人は、これまで日本でのブランド独占販売権を持ち事業を運営していた販売代理店から事業を引き継いでいる。日本法人が運営することで、よりベルギーにある本社と密な連携体制がとれる。今後も日本のお客様が満足できる商品づくりや、ブランドの存在感をアピールする考えだ。

―― 店舗戦略について。
 蒲田 人通りの多いロケーションに出店しており、店舗面積はショーケース販売のみで20~30m²、カフェ併設型で250m²を基本とする。商業施設内や路面店など様々な立地に合わせた柔軟な店づくりを行っており、今後も東名阪エリアの都心を中心に出店を慎重に検討していきたい。

―― チョコレート専門店ではカフェ併設が流行しています。
カフェを併設し20年6月にオープンした御殿場プレミアム・アウトレット店
カフェを併設し20年6月にオープンした
 御殿場プレミアム・アウトレット店
 蒲田 当社でも銀座本店、名古屋店、御殿場プレミアム・アウトレット店の3店にカフェを併設し、オリジナルのカフェメニューを取り揃えている。中でもパフェ、エクレアが人気だ。銀座本店では、カレーを限定販売しており、本格的な食事メニューも導入している。
 物販のみだと、ショーケースの商品を購入して帰宅するだけで寂しい。店舗空間やブランドの世界観が感じられる特別な場所としてカフェは重要だ。コロナ禍では、自粛期間後に特に多くのお客様に来店していただいた。「特別な空間で美味しいものを外で食べたい」という時に選択していただいている。引き続きカフェ事業を伸ばす方針で、ブランドのイメージも味わっていただき、商品以上の価値を提供したい。

―― カフェ事業を伸ばすカギは。
 蒲田 空間づくりを丁寧に行うことと、メニュー開発だ。チョコレートと相性の良いアイスクリームやジェラートに固執せず、他社と差別化を図れるデザートを検討中だ。

―― 将来に向けて。
 蒲田 近年は、バレンタイン催事などポップアップストアの出店を積極的に行っている。22年のバレンタイン催事は98拠点で実施した。常設店出店の際のマーケティングや認知度を拡大するのに重要な取り組みとして位置づけている。EC販売も伸びており、オンラインと店舗の連携も強化していく。まだまだブランドの販路拡大の余地はあるとみている。

(聞き手・今村香里記者)
商業施設新聞2448号(2022年6月7日)(5面)
 商業施設の元気テナント No.246

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