(株)商工組合中央金庫は、中小企業設備投資動向調査をまとめた。これによると2021年度実績見込は、設備投資実施(「有」)企業割合は全体の57.2%と実績見込として06年度以来の高水準。また、22年度当初計画も、設備投資「有」が全体の38.4%と当初計画時点では08年度以来の高水準となった。
製造業の21年度実績見込は、設備投資「有」企業が68.0%、22年度当初計画は「有」が45.1%で、前年度当初計画の31.7%から13.4%増加。非製造業の21年度実績見込は設備投資「有」企業が51.8%、22年度当初計画は「有」が35.1%で前年度当初計画26.5%から8.6%増加した。
21年度実績見込の設備投資目的の上位は「設備の代替」、「維持・補修」。22年度当初計画でも両項目の割合は依然高いものの、21年度実績見込対比で低下しており、「増産・販売力増強(国内向け)」や「新規事業への進出」の比率が大きく上昇した。
設備投資額の増減率は、全産業では21年度実績見込で20年度実績対比7.0%増となり、実績見込時点では3年ぶりにプラスに転じた。22年度当初計画は21年度実績見込対比25.8%減で、21年度当初計画の34.1%減を上回った。
製造業の設備投資額の増減率は21年度実績見込で20年度実績対比8.8%増。22年度当初計画は21年度実績見込対比22.5%減。前年の21年当初計画30.2%減との対比では、7.7%増となった。
非製造業の設備投資額の増減率は21年度実績見込で20年度実績対比5.7%増。22年度当初計画は21年度実績見込対比28.3%減。前年の21年当初計画36.9%減との対比では、8.6%増となった。
21年度実績見込で設備投資を実施しない理由の上位は、20年実績と同様、「現状で設備は適正水準」が58.4%、「景気の先行き不透明」が30.2%となっている。20年度からの変化幅では「景気の先行き不透明」が3.8%減、「企業収益の悪化」が2.6%減と大きく低下した。22年度当初計画でも「現状で設備は適正水準」が61.8%と最も高い。「景気の先行き不透明」(27.6%)や「企業収益の悪化」(9.2%)は21年実績見込からさらに低下した。
1社あたりの設備資金調達構成比を単純平均した結果をみると、21年度実績見込の全企業平均は「金融機関借入」が34.1%。22年度当初計画も「金融機関借入」が38.8%といずれも前年同時期より借入比率が低下した。