商業施設新聞
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第283回

(株)ザイマックス 執行役員 ジザイワーク事業部長 長田健登氏


サテライトオフィスを積極展開
小田急グループと協定、出店加速

2021/6/8

 (株)ザイマックスがサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」の展開を加速している。郊外を中心に展開することで家と職場の距離を縮め、自由に使える時間を増やすなど、ライフスタイルの提案にもつなげている。商業施設内への出店も多く、目的性の高いテナントのため奥にある区画でも人を引き込めるなど、館側へのメリットも多い。同社執行役員ジザイワーク事業部長の長田健登氏に話を聞いた。

―― ZXYの事業概要について。
(株)ザイマックス 執行役員 ジザイワーク事業部長 長田健登氏
多くの個室を設け、
個人が働きやすい空間としている
 長田 サテライトオフィス事業としては2016年からスタートしており、18年に「ZXY」とブランド名を変更した。法人を会員とした15分単位の完全従量課金制で、約140拠点あるが、会員はどの拠点でも利用できる。
 コワーキングスペースのように集って何かを作り上げるのではなく、一人ひとりが落ち着いた環境で仕事ができる場を提供している。そのためオープンな空間より、できるだけ多くの個室を作ることを意識し、あくまで個人が働きやすい空間をつくっている。
 また、郊外を中心に展開していることも特徴だ。家と職場の距離を縮め、通勤時間を減らして時間を創出したり、通勤のストレスを感じることなく仕事ができるなど、新しい生活スタイルを提案したいと思っている。

―― 利用者の傾向は。
 長田 事業初期は働き方改革が浸透しておらず、業種で言えばIT系など柔軟な働き方をする業種が中心で、年齢としても若い方が多かった。ただ、19年度ごろから少しずつ風向きが変わり、コロナ禍によりテレワークが一気に浸透したことで、業種、年齢が本当に幅広くなった。
 直近の動向で言えば、ZXYは個室を中心に展開しているため、コロナ禍においてはWEB会議がしやすいと重宝されている。利用時間としては隙間時間に使う方もいるが、テレワークの拠点として数時間使う方が多く、増加傾向にある。

―― 商業施設内にも出店しています。
 長田 西友、イトーヨーカドー、PARCO、マルイなどにテナントとして出店している。働く場は目的性が高いので奥にある区画にも利用客を引き込める。働く場として、従来はその施設に利用しなかった層も呼び込めるだろう。
 また、ZXY利用者は商業施設内を回遊するという調査結果もある。イトーヨーカドー赤羽店に出店した際、ZXYの利用者にアンケート調査をしたところ、館の中で買い物や食事をしていく方が多いと分かった。イトーヨーカ堂とは提携しており、今後も施設内への多数出店を目指し連携する。

―― この春、小田急グループと提携しました。
 長田 小田急グループと「小田急沿線における商業施設を中心としたワークプレイス拡大に関する基本協定」を結んだ。小田急グループの駅ナカ施設や駅周辺の施設などに、23年度までに30拠点を出店する方針だ。我々としては郊外に出店したいが、郊外の駅前では出店できる物件は限られてしまう。例えば夜の店が集積しているビルには出店しにくい。
 そんな中、小田急グループは郊外の駅、駅周辺に多くのアセットを保有し、我々が出店を加速する上で非常に心強いパートナーとなる。協定の1号拠点として小田急線代々木上原駅の改札前に出店しており、「小田急マルシェ湘南台」「小田急厚木ホテルビル」に出店することも決まっている。

―― 出店の引き合いは。
 長田 デベロッパーに限らず、不動産を持っている方からも増えている。これまでオフィスの空室率が低いこともあり、出店したいエリアでも空き物件が出てこなかったが、コロナ禍以降、環境が変わった。
 今後は他業種からオフィスに転換することも増えるのではないか。これまでは飲食店跡は飲食店を誘致するなど業種間の変更はない風潮だったが、今は飲食店の出店意欲が低い。内装工事費などはかかるが、我々のような世の中の需要が高まっている業種を導入する事例は増えていく可能性がある。

―― 中長期的な方向性などについて。
 長田 基本的には首都圏での展開になると思う。東京周辺はオフィス需要が群を抜いているし、通勤圏が広いため郊外への出店余地がまだまだ多い。数字の目標はないが、市場を予測する限り、少なくとも今の2倍の事業規模まで拡大ができると考えている。ただ、これが店舗数なのか、面積なのかは定めていない。実は出店にあたってサイズなど出店フォーマットも定めていない。結果的には1拠点あたり平均40坪程度なのだが、テレワークが伸び続けているので、今後のサイズ感やどういった駅に出店すべきなのか検証している。これから様々なことが見えてくると思うので、そういった分析に合わせて柔軟に展開していきたい。
 我々の事業は働く場の提供ではあるが、家の近くで働くことにより、新しいライフスタイルを提案しているビジネスでもある。働く場が家から近くなることで色々な可能性が出てくる。今後も積極的に拠点を広げていきたい。


(聞き手・編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2396号(2021年5月25日)(7面)

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