(株)商工組合中央金庫は、中小企業設備投資動向調査をまとめた。これによると2020年度実績見込についてみると、実施(設備投資「有」)企業割合は全体の49.2%。21年度当初計画では、設備投資「有」が全体の28.3%で、20年実績見込、21年度当初計画ともに前年同時期調査比減少となった。
製造業の20年度実績見込は、設備投資「有」企業が58.0%、21年度当初計画は「有」が31.7%で、前年度当初計画の37.2%から5.5%低下。非製造業の20年度実績見込は設備投資「有」企業が44.3%。21年度当初計画は「有」が26.5%。前年度当初計画30.4%から3.9%低下した。
20年度、21年度とも設備投資を実施すると回答した企業のうち、約15%が「新型コロナウイルスの影響を受けて設備投資を実施」と回答。設備投資「無」と回答した企業のうち、20年度では24.0%、21年度では23.4%の企業が「新型コロナウイルスの影響を受けて設備投資を見送り予定」と回答した。
20年度実績見込、21年度当初計画ともに設備投資目的の上位は「設備の代替」、「維持・補修」。20年度実績見込、21年度当初計画ともに比率が増加しているのは「情報化関連」、「新製品の生産」、「新規事業への進出」、「研究開発」となっている。
設備投資額の増減率は、全産業では20年度実績見込で19年度実績対比15.6%減。実績見込時点では2年連続マイナスとなる。21年度当初計画は20年度実績見込対比34.1%減で、前年同時期の33.4%減をさらに下回った。
製造業の設備投資額の増減率は20年度実績見込で19年度実績対比10.9%減。21年度当初計画は20年度実績見込対比30.2%減。業種別に見ると、その他の製造業を除く全ての製造業で設備投資額の増減率はマイナスとなっている。
非製造業の設備投資額の増減率は、20年度実績見込で19年度実績対比18.6%減。21年度当初計画は20年度実績見込対比36.9%減。業種別に見ると、情報通信業以外の全業種がマイナスとなっている。
20年度実績見込で設備投資を実施しない理由の上位は、19年度実績と同様、「現状で設備は適正水準」が58.5%、「景気の先行き不透明」が35.8%。19年度からの変化幅は「景気の先行き不透明」が8.7%増と大幅増加。21年当初計画でも「現状で設備は適正水準」が58.4%と最も多く、次いで「景気の先行き不透明」が37.8%と20年実績見込からさらに上昇した。
1社あたりの設備資金調達構成比を単純平均した結果をみると、20年度実績見込の全企業平均は「金融機関借入」が38.8%。21年度当初計画では、「金融機関借入」が46.1%となっている。