商業施設新聞
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第265回

GOSSO(株) 代表取締役 藤田建氏


関東中心に「ときわ亭」など展開
24年までに100店体制目指す

2021/1/26

GOSSO(株) 代表取締役 藤田建氏
 飲食12ブランド・約50店を展開するGOSSO(株)(東京都渋谷区宇田川町14-13、Tel.03-6316-8191)。関東を中心に「0秒レモンサワー仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」などを展開し、同ブランドの“0秒レモンサワー”は新感覚の飲み放題メニューとして高い支持を得ている。また、2024年までに同ブランド100店体制を目指すべく積極的な店舗展開を計画している。同ブランドの話を中心に、同社代表取締役の藤田建氏に聞いた。

―― ときわ亭とは。
 藤田 同ブランドは仙台ホルモン、焼肉を提供するブランドで、元々、仙台に本家のときわ亭が30~35店あり、オーナーの「自分のつくったときわ亭をもっと全国に広めていきたい」という想いに共感し、当社はパートナー企業として本家とともに同ブランドの展開を行っている。宮城県内は本家、宮城県以外は当社が展開をしてすみ分けを図っている。
 当社が展開するときわ亭は“ストレスフリーの焼肉エンターテインメント”というブランドメッセージを掲げ、お客様もスタッフもストレスフリーの中で食事をしたり働いたりする環境となっている。店舗数は20年内に9店体制、また21年に21店の出店を計画しており、21年末には30店体制を計画している。

―― 0秒レモンサワーが好評です。
0秒レモンサワーは同ブランド看板メニューのひとつ
0秒レモンサワーは
同ブランド看板メニューのひとつ
 藤田 仙台の本家にはない取り組みで、東京のときわ亭の代表メニューの一つだ。仙台から同ブランドを持って来るときに、競争が激しい東京の焼肉マーケットで目立つため、少し面白可笑しいものをやりたいという考えからこの0秒レモンサワーを導入した。各テーブルにセルフレモンサワーサーバーが設置してあり、最初の60分500円、以降30分300円でレモンサワーが飲み放題となる。また、10種類のシロップの中から2種類選んで自分好みに味変しながら飲めるため、カスタマイズしながら楽しめることもウケが良い。

―― 真似をされるという懸念もあります。
 藤田 確かに、レモンサワーサーバーというコンテンツ自体は真似できるだろう。ただ、当社は仙台本家がこれまで行ってきた“ときわ亭のストーリー”を大切にしており、焼肉メニューも仙台のストーリーに合った商品設計を行っている。ブランドメッセージと仙台のストーリー、仙台らしさを楽しみながら焼肉が味わえるこのビジネスモデルは大きな強みだ。

―― 東京の焼肉マーケットをどう見ているか。
 藤田 やはり競争が激しい。そこで差別化が必要なのだが、多くの店はA4・A5の肉を使用するなど“質”の方にいく。一方、我々は焼肉をエンターテインメント化したいという世界観で戦っており、これが大きな差別化になっている。今は美味しいものが当たり前に食べられる時代なので、エンタメ化することで当社は差別化したい。

―― ときわ亭の店舗について。
 藤田 客単価は3000円(税込み)、滞在時間は最大90分で、例えば渋谷店は約25坪、席数60席程度で平均3回転、月商は1200万円程度だ。同ブランドの標準規模が25~30坪なので、渋谷店が標準パッケージの規模となっている。

―― 出店立地は。
横浜西口店の外観
横浜西口店の外観
 藤田 まずはブランディングで、大都市と言われる渋谷や新宿、横浜、大宮などに出店を行っており、認知を広げてから、1日10万~20万人の乗降者数のいる駅前に出店するのが今の基本的な戦略だ。まだ出店し始めて1年ほどのチェーンなので、今はノウハウを蓄積している段階のため、当社は関東のみの展開だが、21年は大阪にも進出する予定であり、日本全国に出店できるパッケージで展開を進めている。直営は年6店くらいの出店で、おそらく全体の3分の1、加盟店で3分の2程度を想定している。

―― ほかのエリアは。
 藤田 24年までに100店体制を目指している。例えば埼玉・大宮に出店すると、今度は群馬・高崎など北関東3県の玄関口になるので、そこを研修センターにして広げていく。まずは関東一円で一定の店舗網とブランディング構築を行い、それから外に、加盟店と一緒に広げていく。できればメガフランチャイジーと一緒にやりたい。一方、100店の目標に対しては、5~10店程度の出店を行ってくれる加盟店の開発が現状の課題だと感じている。

―― 新業態の構想は。
 藤田 焼肉から派生したセカンドラインとして、牛たんの専門店もやっていきたい。このマーケットも大きい。牛たんをメーンにした業態をつくり、それを海外に持っていきたい。ベースとしては、仙台を発祥とした牛たん文化を海外に持っていくというものだ。牛たんをメーンにしたチェーンは意外と少ない。大きな可能性を感じる。
 また当社は、ブランドはまだ広げられる可能性はあると思っているが、現状はときわ亭を軸に、既存ブランドの出店はせず、ときわ亭の出店に専念したいと考えている。


(聞き手・副編集長 高橋直也、若山智令記者)
※商業施設新聞2376号(2020年12月22日)(8面)

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