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第249回

東急不動産(株) 都市事業本部 ビル事業部 係長 井戸慶介氏


東京ポートシティ竹芝開業へ
「デジタル×コンテンツ」の拠点に

2020/9/29

東急不動産(株) 都市事業本部 ビル事業部 係長 井戸慶介氏
 9月14日、東京・竹芝に「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」が開業する。竹芝はJR山手線が乗り入れる浜松町駅に近接し、羽田空港への玄関口であり、国内外のアクセスに優れる稀有な場所。東急不動産(株)はここに最先端の都市型スマートビルを開発し、竹芝を最先端技術のショーケースともいえる街に進化させる考えだ。東急不動産都市事業本部ビル事業部係長の井戸慶介氏に話を聞いた。

―― 事業の経緯から。
「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」がいよいよ開業する
「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」がいよいよ開業する
 井戸 東京都が国際競争力の強化に向けた拠点整備を打ち出し、東急不動産と鹿島建設(株)が設立した(株)アルベログランデが事業者として選定された。
 その後、デジタル×コンテンツの拠点となる複合施設「東京ポートシティ竹芝」の整備を進め、オフィスタワーが9月14日開業する。また、竹芝は近接する浜松町と、道路やJRなどの線路で分断されており、海側(竹芝側)に人が回らないのが課題だった。そこで浜松町駅から竹芝方面に歩行者デッキを整備して街の回遊性を創出した。

―― 東京ポートシティ竹芝の概要について。
 井戸 オフィスタワーとレジデンスタワーの2棟構成となり、総延べ20万m²超におよぶ。今回開業するオフィスタワーは地下2階地上40階建て延べ約18.2万m²で、店舗、オフィス、ホールやスタジオ、産業貿易センター、緑があふれるスキップテラスなどを導入する。
 オフィスにはソフトバンクグループに入居していただくことになったが、我々の竹芝での取り組みに賛同いただき、様々なテクノロジーを採り入れた「都市型スマートビル」開発の事業パートナーになっていただいた。

―― テクノロジーとはどのようなものですか。
 井戸 例えば、センサーやAIカメラにより、エレベーターホールの混雑状況、レストランやトイレの空き情報などを検知し、サイネージや入居企業向けアプリなどに表示して、リアルタイムで確認できる。天気予報や鉄道運行情報なども表示することで、快適な利用をサポートしている。
 また、商業ゾーンには店舗出入り口にセンサーを置き、時間ごとの来店人数や、年齢層、男女比などの属性データも蓄積する。これを入居テナントにフィードバックして、売り上げ予測、在庫管理の適正化、販促などに役立てていただく。
 掃除ロボットや警備ロボットなどもおり、ロボットが働くローソンも出店する。ローソンではロボットがバックヤードで商品の陳列、補充をするなど、最先端の店づくりを行う。

―― 研究開発の拠点も設けたそうですね。
 井戸 一般社団法人CiP協議会と連携し、6階にデジタル×コンテンツによる国際ビジネス拠点を創出する。研究開発、人材育成、起業支援、ビジネスマッチングなどを行う場となる。
 竹芝周辺は、浜松町駅にJR山手線が乗り入れ、東京モノレールでは羽田空港へ通じるなど、国内外から様々な人が集まる。最先端テクノロジーのショーケースとしてふさわしい場所であり、ここで様々な取り組みを進めていきたい。

―― 店舗エリアについて教えてください。
 井戸 「竹芝グルメリウム」として飲食店など21店が集積する。いくつかのエリアで構成し、2階には「みなと横丁」を設け、串焼き、沖縄酒場などお酒を楽しめる店が集まっている。テラスに面したエリアもあり、ここではイタリアンなど上質なメニューを外の気持ちいい空間で楽しめる。周辺には劇団四季の劇場などもあって来街者も多い。上質なレストランや横丁というキャッチーエリアをつくることで、外部からも引き込みたい。

―― ビル内には自然も多く配置します。
 井戸 「竹芝新八景」として、ビルのテラスに菜園、ハーブガーデン、水田などを設けた。オフィスワーカーの交流が生まれることも考えているほか、当社は「グリーンワークスタイル」を推進している。これは緑の持つ力を活用し、緑の中で働くことでアイディアなどを生まれやすくし、ストレスを削減するというもので、仕事の効率を上げることにつなげたい。

―― 改めて竹芝の魅力は。
 井戸 都心部にありながら、近くには海や川があり、浜離宮や旧芝離宮など緑、文化財もある貴重な場所。
 また、東京都が舟運に力を入れつつあるが、選手村などがある晴海エリアは船なら5分ほどで着く。将来的には竹芝を拠点に船から電車、MaaSなどシームレスに移動手段をつなぐことも構想しており、街のあり方、移動手段の面でも最先端拠点になる。
 今回の事業は我々が東京都から70年間土地を借り受けたプロジェクト。地域とともに竹芝の魅力を高め続け、発信していきたい。


(聞き手・副編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2361号(2020年9月8日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.340

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