商業施設新聞
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第211回

日本サブウェイ合同会社 社長 角田淳氏


新体制3年、店舗刷新で回復基調に
できたてスイーツも新たな軸に

2019/12/24

日本サブウェイ合同会社 社長 角田淳氏
 世界100カ国以上に約4万店を展開する、世界№1のサンドイッチチェーンである「サブウェイ」。日本国内では、サブウェイ本社の再編成の一環で、サントリーとのマスターフランチャイズ契約を解消し、日本サブウェイ合同会社(東京都品川区東品川2―3―14、∴03―6863―8530)として新たなスタートを切ることになった。同社の角田淳社長に現在の状況や今後の展開について聞いてみた。

―― これまでの経緯から。
 角田 1992年からサントリーにマスターフランチャイズ権を付与し、国内展開を行っていたが、16年の契約満了後に継続して契約を行わないことを決定し、サントリーからサブウェイ株の65%を譲受した。サブウェイ本社の再編成の一環で、一社単独でのマスターフランチャイズの解消に乗り出していた流れによるものだ。韓国、ブラジルも同様に本社主導になり、残るはロシア、サウジアラビアだけとなっている。経営主体が変わって店舗数は減ったものの、韓国、ブラジル同様に想定の範囲内であった。マスターフランチャイズ契約で一つの国で運営すると、当然のことながら独自色が出る。日本サブウェイでもグローバルのサブウェイとのギャップが出ていたのは事実だ。新体制では、マーケティング、営業など各分野のプロを呼び寄せたことで大幅に充実した。

―― 現在の店舗体制について。
 角田 最盛期に500店近くまでいったが、直営店の整理などもあり、現在は220店程度となっている。今年の春から様々な戦略により、6月からは売り上げが対前年を上回る状況が続き、回復基調が続いている。

―― その一因として新コンセプト店を導入。
 角田 3月25日に新コンセプト店の「フレッシュ・フォワード」を導入した「サブウェイ渋谷桜丘店」を東京・渋谷にオープンした。店内には明るいダイニングエリアを照らす、サブウェイの〝S〟をかたどった大きな「チョイスマーク」、そしてサンドイッチの具材を遊び心豊かに描いた壁紙など、一新された店内デザインとしている。店内設備やテーブル、イスなども同様に最新のインテリアに変更した。
 また、毎日店舗で焼き上げるこだわりのパン・クッキーを顧客に見える位置に配置した。店内焼成のクッキーは今回新たに導入し、えびやアボカドをはじめとするこだわりの具材、店内でカットする野菜をディスプレイするショーケースも、明るくフレッシュなものに刷新した。店舗面積は従来の15~25坪から50坪と大型化し、客席数も店内54席、テラス12席を設けるなど、ゆったりとくつろげる店舗となった。ロゴからすべて変えたことも含め、大きな改革をしたと言える。

―― 新鮮な野菜を使ったブランドイメージが強い。
 角田 そのとおりで、おかげさまでサンドイッチ商品については、新鮮な野菜を使用していることや味などの点において他のファーストフードと比べても高い評価をいただいている。このフレッシュを軸にした商品に加え、店舗の環境、サービスの向上にも磨きをかけたい。

―― 商品開発は。
 角田 日本市場においては、定番人気メニューの「えびアボカド」や「ローストビーフ」などに加え、コンビニで販売している商品をサブウェイ流にアレンジしてはどうかという視点から商品展開を開始した。今年夏に期間限定で販売した「爽やかサラダチキン」や「スパイシーサラダチキン」は好調な売り上げを記録した。
 また、10月に入ってからはあんことマスカルポーネを挟んだ甘いサンドイッチの「あんこ&マスカルポーネ」の販売を開始した。コンビニの棚にこれまでアンパンがなかったことはなく、これをサブウェイで提供したらどうかという発想だ。マスカルポーネとの組み合わせは当社独自であり、当社のフレッシュの軸が野菜だけではないことをお客様に訴求できる機会だと考えている。サブウェイがグローバル全体で大きく変わろうとしている中で、新たな分野にチャレンジしていく良いタイミングと見ている。

―― オペレーションについては。
 角田 元々、ランチタイムが強く、1店当たり4人でオペレーションでき、利益を上げられるため非常に効率的だ。ただ、ランチタイムの2時間の間に作れるサンドイッチの量は決まってくるので、次の軸を作るのが課題であった。今回の「あんこ&マスカルポーネ」の発売により、コアのファンだけでなく、これまでとは異なるファン層の獲得にもつながった。これまではカフェがサンドイッチに参入するパターンが多かったが、我々がスイーツ分野を手がけ、カフェに近づくことで差別化につながるだろう。

―― 新たな取り組みは。
 角田 コンビニの利便性に近づけるように今年からウーバーイーツの導入を開始した。すでにウーバーイーツの配達範囲内のエリアについてはほぼカバーし、約50店で利用している。また、スマートフォンで注文から支払いまで完了し、店で商品が受け取れるリモートオーダーも導入を開始しており、来年からは本格稼働する予定だ。

―― 今後の展開は。
新コンセプトのフレッシュ・フォワードを導入した渋谷桜丘店
新コンセプトのフレッシュ・フォワードを導入した
渋谷桜丘店
 角田 この3年間で内部体制が整い、既存店も順調に推移しており、次の成長への足固めはできた。来年は新コンセプトの「フレッシュ・フォワード」を軸に出店を進め、着実に店舗数を純増していく。すでにサブウェイにはブランド力はあると確信しているので、今後は商品だけでなく、サービス、利便性の体験価値を上げ、一人ひとりの顧客満足度を向上させていく考えだ。

(聞き手・永松茂和記者/新井谷千恵子記者)
※商業施設新聞2322号(2019年11月26日)(8面)
 経営者の目線 外食インタビュー

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