商業施設新聞
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第186回

阪急阪神ビルマネジメント(株) SC第一営業部 阪急三番街館長 山内恒治氏


梅田の変化に対応する施設づくり推進
フードホールなど好調

2019/7/2

阪急阪神ビルマネジメント(株) SC第一営業部 阪急三番街館長 山内恒治氏
 1日平均乗降人員が関西トップクラスの約51万人を誇る阪急梅田駅に直結する商業施設「阪急三番街」は、今年開業50周年を迎え、駅直結のSCとしては日本最古と言われている。その阪急三番街を運営・管理する阪急阪神ビルマネジメント(株)SC第一営業部 阪急三番街 館長の山内(やまのうち)恒治氏に話を伺った。

―― 足元の状況から。
 山内 売り上げのピークは約20年前の700億円超えで、景気の影響や梅田周辺の競合が増えたことで売上高は落ちていたが、リーマンショック後からは定期的にMDを見直すなどし、順調に推移している。
 現在の当施設は北館と南館で構成し、賃貸面積約3万2200m²、約260店を擁する規模で、直近の売上高は350億円をキープしている。

―― 最近のリニューアルについて。
 山内 2017年4月と18年3月にリニューアルを実施した。これは、開業20周年の全館リニューアル以降の大規模なものとなり、主に北館の構成を見直した。これまでの間口を広げた全方位のターゲットから、特に駅を利用する30代の働く女性にフォーカスして店舗を構成している。
 北館の地下1階から2階は利用者が定着している趣味のフロアとして踏襲しつつ、そのほかは“オフスタイル”を意識し、日常的に利用してもらえるようなコスメ、インテリア雑貨などの人気店を集積。働く女性も通勤時に気軽に立ち寄れる動線上に展開した。
 また、北館の地下2階は飲食店街を大幅にリニューアルし、新たに「UMEDA FOOD HALL」を展開している。

―― フードホールについて詳しく。
 山内 フロア面積は約2300m²で席数は約1000席を確保し、新業態6店を含む18店が出店している。従前の分かりにくい入り組んだ区画を逆手にとり、奥は落ち着いて食事やお酒が楽しめるモダンなバルゾーンを配置するなど、コンセプトを持たせた5つの異なる空間を演出。梅田エリアに来るあらゆる層が利用シーンに応じて使い分けできる都心のワンランク上のフードホールを目指した。

―― リニューアル後の反響は。
 山内 ランチ、ブレイクタイム、ディナー、飲み会など幅広く利用していただいており、「また来たい」と言っていただけるお客様が増えて好調だ。お酒を飲みやすい空間としたことで課題だった夜の集客も改善したほか、お酒を飲みに来られる女性客も増えた。この夏もビールフェアなどのイベントを取り入れるなどし、今後もアルコールの提供を伸ばす余力はあると考えている。
 施設全体では、日本の人口構造に沿った幅広い層に利用されているが、カード会員のデータでは一連のリニューアルにより、年々上がっていた利用者の平均年齢が約40歳で止まっており、若い層の厚みが増え、一定の効果が得られたと思う。

―― より良い施設にしていくには。
 山内 南館の地下2階は飲食街として認知度が高く一定の集客ができているが、さらに時代の流れに沿った集客をしていきたい。キーワードは、共働き、時短、おひとり様など都心で生活する人。子育てと仕事で忙しい女性が毎日利用できるような食の環境を提供できないかと思う。百貨店のデパ地下とは差別化を図れるよう、しっかりマーケティングしていきたい。
 また、今年は阪急三番街の開業50周年の節目であり、お客様が楽しめるイベントや販促を打ち出していく。

―― 周辺との関わりや街づくりの考えなど。
 山内 梅田エリアの街づくりは活発化しており、人の流れる動線も常に変化している。うめきた周辺の開発が進んだことで、阪急三番街北館前も交通の結節点に発展するなど、常に変化している人の流れをどう取り込んでいくかを考えながら施設づくりを行う必要性がある。
 直近では、阪急三番街に隣接し、新たな飲食街「茶屋町あるこ」(店舗面積約620m²、7店)を開発、19年3月28日にオープンした。阪急梅田駅の北側高架下1階を改装したもので、梅田エリアの中でも茶屋町に面しており、大阪市と阪急電鉄(株)が実施する高架下沿い東側歩道の拡幅・美装化工事に併せて開発した。歩道沿いに路面店型の店舗を設けることで“まち歩き”を楽しめるようになっている。

―― 「茶屋町あるこ」の特徴など。
 山内 周辺の商業施設と競合しないアッパー・ミドル層をターゲットに、バラエティ豊かで普段使いもできる上質で洗練された飲食店を誘致した。“まち歩き”の際に立ち寄られる場合もあるが、わざわざ予約をして足を運ぶお客様も多く、集客力の高い店舗が揃ったと自負している。
 オープン後は、阪急三番街をはじめ、阪急うめだ本店や梅田芸術劇場など周辺施設との回遊性が高まったほか、オフィスワーカーも取り込めている。
 茶屋町は〝若い街〟のイメージだが、30代後半から40代の層からの利用があり、開業後の売り上げは好調だ。
 今後も梅田エリアでは、うめきた2期など開発が目白押しだ。変化する環境を意識しながら強みである都心ターミナル立地を活かし、様々な方の期待に応える施設づくりを行っていきたい。

(聞き手・今村香里記者)
※商業施設新聞2297号(2019年6月4日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.300

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