商業施設新聞
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第167回

(株)ラフォーレ原宿 代表取締役社長 荒川信雄氏


トレンド拠点として40周年
ファッションの楽しさ追求へ

2019/2/12

(株)ラフォーレ原宿 代表取締役社長 荒川信雄氏
 2018年10月、ファッションの代名詞とも言える「ラフォーレ原宿」が開業40周年を迎えた。様々なカルチャー、トレンド、ブランドの拠点として多くの人を集客してきたが、最近では食の発信にも力を入れている。同館はなぜ40年間愛されているのか、そしてECが台頭する中で今後の姿は。(株)ラフォーレ原宿代表取締役社長の荒川信雄氏に話を聞いた。

―― 昨年10月に40周年を迎えました。ここ数年を振り返っていかがですか。
 荒川 業績は順調で、15年6月以降の売り上げは継続的に伸長し、毎年、前年比5~10%程度増加している。ここ数年では15年4月にフードエリアを導入したのが大きな出来事だ。2階の店舗区画をどう活用するかを考える中で、「食」というキーワードが出てきた。母体である森ビルとラフォーレ原宿のネットワークやカルチャーを掛け合わせれば新しい提案ができると考え、食のカルチャーなどを発信する「GOOD MEAL MARKET」を作った。複数のフード店が集積し、これまで来館していない層を取り込めるようになった。
 ポップアップストア区画の「CONTAINER」の強化も最近の成長に影響している。2週間単位でテナントを入れ替えるため、年間で100以上の企業と向き合うことになる。これを通じてラフォーレ原宿の原点であるインキュベーション精神を磨けた。15年6月以前から館の中身は良くなっていたが、CONTAINERの強化とともに数字が伸びてきた。

―― 18年春には館内の20店を刷新しました。
 荒川 コスメ・ビューティの提案を引き続き強化し、「アナ スイ コスメティックス」などを誘致した。また、見た目は透明で、唇に塗ると色づくリップを提案する「カイリジュメイ」もオープンしたが、同店はもともとポップアップとして日本1号店を出店していた。その際大きな反響があり、今回常設店として出店した。我々らしい取り組みだ。

―― カイリジュメイなど面白い業態が多いです。
 荒川 原宿という街はチャレンジマインドが強い。失敗しても次があるという文化が醸成されている。我々が力を入れるポップアップもある種チャレンジであり、原宿はうってつけの場所。ポップアップストアは年に幾度もリーシングしないといけないから大変なことも多い。だが卵をダイヤモンドにできるチャンス。こんなやりがいはほかにない。社員にはアンテナを広げて自分の好きなものをどんどん見つけてきてほしい。

―― 原宿は競合が多いです。同館の強みは。
 荒川 原宿ファッションとしての幅広さに自信を持っている。我々はロリータ、ゴシック、キャリア、インターナショナル、ユニセックスなど様々な分野をカバーしている。これは原宿の中でも我々だけだと思うし、インターナショナルとしても貴重な存在だ。来館する方も国際的な方が多い。
 当館は発見できる場所でもある。来館者に言われて一番嬉しい言葉は「普段買わないものを買ってしまった」。ラフォーレ原宿はファッションのおもちゃ箱だと思っている。探してほしいし、発見してほしい。それができる場所だし、求められている。

―― 商業施設はECとどう向き合うかが大きなテーマになっています。
 荒川 日用品としての服も必要だが、ファッションはやはりエンターテインメントであるべき。そして原宿はこのエンターテインメントという考えに実に合っている。原宿は縦積みのビル街でなく、ストリートの街。原宿にやってくる人々はおしゃれをして歩き、人に見られる楽しみを感じている。この原宿でファッションエンターテインメントとして楽しさを追求していけば、これからも必要とされる存在になる。

―― 昨今はファッションの定義も広がりました。
 荒川 コスメや食もファッションの一つになった。当館では18年12月8日にGOOD MEAL MARKETに中華のファーストフード「Chipoon」が開店した。銀座の有名中華店「Renge equriosity」の西岡英俊シェフがプロデュースし、チャーシューバーガーやヌードルを提供する新業態だ。こういった発信を今後も続けていきたい。

―― 今後のラフォーレ原宿の方向性は。
 荒川 ここ数年、「ファッションスーパーマーケット宣言」として常に鮮度を保ってきた。この方針は変わらないし、ファションラバーズファーストの精神も絶対変わらない。常にファッションと向き合って、ファッション文化を深掘りしていく。加えて、新しい時代に向けた場の提供を続けて、人と人をつなげる。これにより原宿を成長させたい。
 いま、日本は人口減少という課題があるが、だったら世界に発信すればいい。ラフォーレ原宿は海外でのイベント実績もあるが、原宿はグローバルの中でも面白いと実感する。色々な国のファッションを理解して、自分たちなりに原宿を発信できればさらに面白い取り組みができる。

(聞き手・副編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2278号(2019年1月15日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.286

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