商業施設新聞
新聞・情報紙誌のご案内出版物のご案内広告掲載のご案内セミナー/イベントのご案内
第166回

森ビル(株) 取締役 常務執行役員 タウンマネジメント事業部 営業本部 オフィス事業部 小笠原正彦氏


虎ノ門周辺で22haの再開発推進
ソフト・ハード融合の都市づくり

2019/2/5

森ビル(株) 取締役 常務執行役員 タウンマネジメント事業部 営業本部 オフィス事業部 小笠原正彦氏
 森ビル(株)は、東京・港区の虎ノ門ヒルズエリアや虎ノ門・麻布台地区などで区域面積22haにもおよぶ再開発を行い、国際新都心の形成を推進している。「都市を創り、都市を育む」という思想の下、都市を創るだけでなく、タウンマネジメントにも力を入れ、ハード・ソフトが融合した都市づくりを推進する。取締役 常務執行役員 タウンマネジメント事業部の小笠原正彦氏に聞いた。

―― 虎ノ門エリアの開発概要は。
虎ノ門ヒルズ周辺開発の完成後のイメージ
虎ノ門ヒルズ周辺開発の完成後のイメージ
 小笠原 2014年に開業した「虎ノ門ヒルズ 森タワー」の両隣に「(仮称)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」、東京メトロ日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ駅」に直結する形で「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」を計画し、このエリアを「国際新都心・グローバルビジネスセンター」にすべく開発を進めている。

―― 開業の時期は。
 小笠原 最も早い「ビジネスタワー」が19年12月に竣工の予定で、昨年11月に上棟した。「レジデンシャルタワー」が21年1月竣工、昨年11月に再開発組合が認可された「ステーションタワー」は23年竣工予定だ。

―― 「ビジネスタワー」の概要は。
 小笠原 5~36階・2万8000坪のオフィス総賃貸面積を持ち、すでにほぼ満室。4階には大企業とベンチャーの交流拠点となる「イノベーションセンター」を開設する。さらに、臨海部を結ぶBRTや空港を結ぶバスなどが発着可能なバス乗降所も整備する。

―― 「レジデンシャルタワー」および「ステーションタワー」は。
 小笠原 「レジデンシャルタワー」は、グローバルニーズにも対応する大型タイプの住戸や、短・中期滞在可能なサービスアパートメントも含め約550戸を供給する。
 一方、「ステーションタワー」は、日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」と一体開発され、オフィス、商業、ホテル、ビジネス交流施設などで構成される。すべてのタワーを歩行者デッキでつなぎ、ビジネスタワーのバス乗降所へのアクセスも容易だ。日比谷線虎ノ門ヒルズ駅と銀座線虎ノ門駅も地下でつながり、虎ノ門は都心の一大交通結節点となる。

―― 商業ゾーンの整備は。
 小笠原 「ビジネスタワー」には地下1階から地上3階の4フロア約6300m²を設ける。「レジデンシャルタワー」は足元3フロアに店舗・スパが入る。「ステーションタワー」は駅直結なので商業面積はもっとも多く確保する予定で、虎ノ門ヒルズ 森タワーと進行中の3棟を合わせると、商業施設面積は計約2万m²に上る見込みだ。

―― 虎ノ門・麻布台地区再開発の概要は。
 小笠原 六本木1丁目駅と神谷町駅に挟まれた約8.1haの敷地に、地上65階建ての超高層ビルをはじめ計7棟が建つ、総延べ86万4100m²の大規模開発となる。18年度内に着工し、23年3月竣工予定。住居・オフィス・ホテル・インターナショナルスクールなどからなり、特に住環境の整備に力を入れる。

―― タウンマネジメントに力を入れています。
 小笠原 オフィスや住宅、商業施設にホテルなど、多様な複合機能を有する街で、それぞれの機能の境界を越え、人と人のつながりを促し、街を育むことがタウンマネジメントの重要な役割のひとつだ。通常、都市は経年劣化をしていくものだが、人と人とのつながり、交流を育むことで新たなアイデアやイノベーションが生まれ、街の鮮度を保つことができる。

―― 具体例を。
 小笠原 約400世帯の地権者の方々との再開発事業として誕生した六本木ヒルズには、元々の地域コミュニティを土台にした「六本木ヒルズ自治会」という街のコミュニティがある。この自治体を核とし、15年の歳月をかけて、ワーカーや近隣の方々にもその輪が拡大した。
 たとえば、毎月1回開催される「六本木クリーンアップ」は、六本木ヒルズで最も長く続く自治会主催のイベントで、街の仲間たちとの交流を目当てに、今でも毎回100人以上の居住者やワーカーなどが参加する。
 また、仕事前の早朝に、ビジネスパーソンが集まり、つながることを目的とした「ヒルズブレックファスト」も毎回立ち見が発生するほどの人気イベントで、ここでも新たなコミュニティが誕生している。これらの活動は、現在では自律的に運営されており、次世代のリーダーや新しい活動も生まれている。こうした人々のつながりと、そこから生まれる新しい展開こそが、開業時と変わらず年間4000万人もの人たちを惹きつけている六本木ヒルズの“磁力”につながっている。

―― 今後の抱負を。
 小笠原 19年は五輪に向けた仕込みの年。今までの積み重ねを昇華させ、コミュニティとコミュニティをつなぐ新たなエリアマネジメントのあり方をヒルズから発信していきたい。

(聞き手・編集長 松本顕介/副編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2277号(2019年1月8日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.286

サイト内検索