商業施設新聞
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第157回

(株)京樽 執行役員 外食事業本部長 市川幸男氏


「海鮮三崎港」を83店展開
商業施設や都心部出店に強み

2018/11/27

(株)京樽 執行役員 外食事業本部長 市川幸男氏
 成長が続く回転寿司業界だが、昨今のロードサイド店舗飽和の流れを受けて、大手チェーンなどがこぞって都心部への展開を進めつつある。こうした中、以前から商業施設内やビルインで出店しているのが、吉野家ホールディングスの(株)京樽(東京都中央区日本橋箱崎町36-2、Tel.03-3527-2860)が展開する回転寿司「海鮮三崎港」だ。同社の執行役員・外食事業本部長の市川幸男氏に、出店戦略や強みなどについて話を聞いた。

―― 海鮮三崎港の現況から。
海鮮三崎港 新小岩店
海鮮三崎港 新小岩店
 市川 価格、商品の質、接客という面でよい評価をいただいており、17年度の回転寿司営業部の売上高は94億5000万円を超え、同年度末の店舗数は83店になった。回転寿司チェーンで主流のロードサイドには出店せず、都心部のビルインや商業施設などへの出店を中心としている。

―― 集客や客層について。
 市川 我々は客単価よりも、客数の増加を目指す方針でやってきている。売上高を伸ばすには客単価を上げるのが手っ取り早いが、そういう手法は採らない。来ていただくお客様もリピーターの方が多く、クーポンセールを行うと大きな反応がある。
 客層については幅広いが、立地によってかなり違うのが現状だ。そのため、店舗のメニューやオペレーションも、立地と客層に合わせて異なった展開をしている。例えば年配の方が多い立地では、職人がレーンの中に入って接客する店舗を展開するが、若年層の方が多い立地ではタッチパネルを使った店舗を展開するといったものだ。

―― 商業施設への出店も積極的ですが、施設側からの反応は。
 市川 商業施設側からのお問い合わせは比較的多くいただいており、集客力のあるテナントとして期待されていると思う。
 成功例も多くあり、例えば別の回転寿司チェーンが入っていた所に居抜きで出店したケースでは、海鮮三崎港になったことで約20%売り上げが向上した。回転寿司ではない寿司の専門店に代わって入ったところでは、売り上げが2倍近くになった例もある。今後もある程度規模があり、足元がしっかりとしたSCであれば出店を進めていきたい。

―― 競合に対する強みについて。
 市川 回転寿司自体が集客力のある店舗だと施設側に認識されている一方で、商業施設内やビルインでの出店には様々な課題がある。例えば100円寿司では、70~80坪程度の広さがとれる立地でないと採算が取れないし、いわゆるグルメ系回転寿司では客層などで出店先を選ばざるを得なかったり、職人の確保が問題になったりする。その点我々は、例えば40坪のスペースでも出店可能な業態だ。狭小店舗の例では、例えば荻窪店では13坪のスペースで16席を備え、それで月商1000万円を達成している。他の業態では難しいであろう駅構内への出店なども、我々なら可能だ。
 また客層も幅広く対応しているため、様々なSCや立地に出店できる。出店に職人が必要となる業態ではどうしてもそれが出店のボトルネックになるが、我々はレーン内に職人がいるタイプ、タッチパネルで注文するタイプ両方のオペレーションに対応しており、効率的な多店舗展開ができる。
 郊外ロードサイドが飽和状態の今、様々な回転寿司チェーンが都心シフトの傾向を見せているが、そういった都心での出店では我々に一日の長がある。100円寿司でもグルメ系でもない業態だからこそ、他の回転寿司チェーンとは競合しないニッチな物件で、都心部での出店を広げられるのが我々の強みだと思っている。

―― 今後の計画を。
 市川 出店についてはまだまだ出店の余地があると思うので、ビルイン、商業施設などで積極的な出店を行っていく。メニューについては、100円寿司のように数を広げるのではなく、ある程度数を絞ったうえで季節に沿った入れ替えなどを行い充実させていきたい。

(聞き手・山田高裕記者)
※商業施設新聞2266号(2018年10月16日)(8面)

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