シライ電子工業(株)(京都市右京区梅津南広町46-2、Tel.075-861-8100)は、透過率の高いPETベースのフレキシブル基板を開発した。耐熱性、信頼性に優れ、折り曲げられるのが特徴である。JPCA Showでは、この基板にフルカラーLEDを配置した透明ドットマトリックス・ディスプレーを出展し、車載用途などにPRする。
同社は従来、PETベースの透明フィルム基板を製品化しており、アミューズメント機器などに採用されている。今回は材料組成を見直すことで、曲げても性能を維持できる高い信頼性を実現した新製品を開発した。配線形成を工夫して見えにくくし、90%の全光透過率を実現しているほか、高耐熱リフローが可能で温度変化による劣化も少ない。PETベースなので、機能性に優れたPENやポリイミドと比べると安価でコストメリットが高い。
すでに自動車関連向けに採用が決まっており、18年夏から量産開始を予定している。また、サイネージや医療など複数の引き合いがある。JPCA Showに出展することで特徴をPRし、顧客ニーズを探って用途開拓を図る。展示ブースではチップLEDを搭載したディスプレーを出展するが、LEDを搭載しない透明フレキシブル基板として使用することも可能である。基板として供給するほか、顧客ニーズに応じて実装やユニット化にも対応する。
販売目標として、22年度に15億円を掲げている。それ以降は本格的に採用が拡大し、売り上げが伸長する見通しだ。また、顧客ニーズの有無にもよるが、さらなる信頼性向上やマイクロLEDへの対応も視野に入れている。マイクロLED対応では、線幅を5μm以下にすることで高精細ディスプレーを実現可能になる。
(本紙2018年5月10日号5面 掲載)