電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内

四国化成工業


密着向上の新材料 無粗化で高信頼性

2018/5/7

 四国化成工業(株)電子化学材料営業部(千葉市美浜区中瀬1-3、Tel.043-296-4104)は、高性能なプリント配線板を製造するための密着性向上プロセス材料となる「GliCAP」(グリキャップ)を出展する。超ファインパターン形成が要求される次世代パッケージ基板や、高速伝送・高周波に対応する基板などへの適用を見込む。2016年から本格生産を開始している。
 
 GliCAPは、同社が独自で開発した有機合成技術を使い、基板の銅配線層に50nm前後の非常に薄い有機皮膜層を形成し、化学的に密着強度を確保する新技術。従来のエッチングによる銅配線の表面を荒らして、物理的に密着強度を確保する手法と異なり、銅表面の平滑性を維持しながら、無粗化により密着性を向上させるという画期的な材料。また、銅表面に直接処理でき、酸や水洗浄などによる簡単な工程だけで2~3分で終了する。しかし、密着強度は従来の粗化処理時と同等のピール(引き剥がし)強度を維持できる。

グリキャップはシンプルな処理工程を実現  
グリキャップはシンプルな処理工程を実現  

 今後は5G通信など次世代移動通信システムの本格導入時には、高速伝送技術を確立する必要があるが、配線板製造レベルでも銅パターン表面の平滑性が求められている。同社のGliCAPはこうしたニーズに合致しており、市場でも1年ほど前から引き合いが急増しているという。現在、データセンターなどで需要の拡大している高性能サーバーや通信機器向けの配線板用途などに順調に出荷が拡大している。

 同社はイミダゾールを中心とした有機合成技術をベースにユニークな表面処理材料を展開する。独自の合成技術を武器にタフエースなど、銅表面の防錆処理剤などでトップシェアを誇る製品群を数多く擁している。
 
(本紙2018年5月3日号5面 掲載)

サイト内検索