商業施設新聞
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第110回

オーマイグラス(株) 代表取締役社長 清川忠康氏


鯖江とECで世界ブランドへ
IT駆使し小売を効率化

2017/12/26

オーマイグラス(株) 代表取締役社長 清川忠康氏
 オーマイグラス(株)(東京都港区三田3-12-17、Tel.03-6809-3623)は、眼鏡という商材において日本品質を世界に届けるとともに、ITの力で業界を効率化することを標榜する。特にオムニチャネルを駆使し、新しい小売りの世界の常識を創ることを目指している。代表取締役社長の清川忠康氏に聞いた。

―― オーマイグラスの概要から。
 清川 眼鏡という商材のポテンシャルに注目している。眼鏡はファッション化し、2~3本目を持つようになっている。靴やカバンの産地は色々あるが、眼鏡製造は福井県・鯖江が知られている。“メイドイン鯖江”を発信し、ファッション化の波に乗って、世界の眼鏡ブランドをつくっていける可能性を秘める。
 新しい世代に売っていく狙いから、インターネット通販でスタートし、3年前からは自社商品の強化ならびに直営店を出店し、オムニチャネルの体制を整えた。我々の強みはお客様の声だけでなく、ECからのビッグデータを商品開発に活かし、ECと直営店10店と、世界8カ国で卸販売も行っている。

―― ターゲットは。
 清川 30、40代だが、もっと若い20代の購買を促したい。

―― 価格帯は。
 清川 当社はレンズ込みで1万5000円から提供している。この価格レンジでは30~40代は高いので手を出さない。ただ、ジンズ、ゾフの次の価格帯がなく、高級眼鏡になってしまうので、そこが狙い目でその価値をアピールしている。
 当社はEC販売比率が高いので、コストがかからない分を顧客に還元できる。店舗も小型で効率重視。競合他社は20~50坪で2000品だが、当社は10坪程度に200~300品。なお、商品は6~7割が自社商品だ。オムニチャネルを効率化とパーソナライズの2つの観点で見ている。パーソナライズによりワンオーワンのマーケティングをしていく。

―― 小売業界をどう見ていますか。
 清川 転換期にあると思う。今後AIの進化で、川上から川下までIT化して効率化できる。我々はEC企業なので、眼鏡というニッチで融通の利くマーケットで、新しい小売の未来をつくっていきたい。

―― 出店戦略は。
 清川 3月に柏の葉Tサイトに出店したが、今後も感度の高い商業施設には出るつもりだ。また、我々の哲学を理解していただける施設への出店を考えており、反オムニ、反ECでは難しい。また、認知向上のための商業施設に出店しているが、将来的には路面店で展開したい。国内はまずは好立地に出店したい。

―― 今期は。
 清川 1~6月は柏の葉、津田沼、広島、池袋、あべのロフト(11月30日閉店予定)と5店出店した。当面は既存店を強化する。

―― エリアは。
 清川 首都圏、関西圏を優先に考えている。それ以外でもよい立地や物件があれば検討していきたい。九州なども興味はあるが、まだ当社は規模も小さく、首都圏と関西は拠点もあるので、そこで広げる。出店数ありきでなく、我々のビジョンに合うところで様子を見ながら最大30店程度。
 ECでどこまで拡大できるか。そして海外。海外は現状、卸だけなので、中国や香港に出店していきたい。

―― リアルとのバランスや、売り上げに占めるECとリアルの比率は。
 清川 半々だが、理想は7~8割がEC。店の売り上げもEC経由で買ったケースもある。

―― 売り上げは。
 清川 中期的には30億~40億円を目指したい。数年で30~40店と申し上げたが、海外卸もあるので、20店程度で目標を達成してしまうかもしれない。ECの成功いかんではこれ以上の店舗は不要かもしれない。

―― 眼鏡と組み合わせて、他の展開は。
 清川 雑貨の類が増えているが、“ちょっとかっこいい雰囲気”など、中途半端で小手先が多い。世界に通用するブランドを創るには独自性や独創性が絶対で、他がやることを追いかけると同じになる。
 我々の考え方はトヨタの「プリウス」に近い。プリウスは表面的な売れ筋を追いかけているのではなく、あの価格であれだけのクオリティを出せるビジネスやオペレーションの仕組みがある。ブランドとはそういうものだ。小売りは今転換期に差しかかっているので、オムニチャネルによって、小売業の未来をいかにつくっていくかがこれからの大きなテーマになるのではないか。そして“世界の鯖江”にしたい。

(聞き手・編集長 松本顕介)
※商業施設新聞2221号(2017年11月28日)(5面)

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