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第18回

アイリスオーヤマ角田工場、パックご飯の生産設備導入、2~3ライン目の導入も検討


2017/9/19

 アイリスオーヤマ(株)(仙台市青葉区五橋2-12-1、Tel.022-221-3400)は、パックご飯の国内における需要拡大に対応するため、約30億円を投じ角田工場(宮城県角田市小坂上小坂1)内に生産設備を導入し、8月29日からパックご飯の自社生産を開始した。

 同社は生活用品製造卸売業者だが、2011年の東日本大震災を機に、被災した地元東北の農業の復興支援を目的として、13年4月の舞台アグリイノベーションを設立し、精米事業に参入。同年11月には食料品、調理器具の販売を行うアイリスフーズ(株)を設立している。14年7月には舞台アグリイノベーションの亘理精米工場(宮城県亘理郡亘理町逢隈高屋字堂田128-3)が竣工。15年2月には角田工場(角田市小坂上小坂1)で餅工場を稼働。同年5月には岩手工場(岩手県奥州市胆沢区南都田字広表94)でも餅工場が稼働している。

 亘理精米工場では、15℃以下の低温環境で保管・精米・包装を行っており、精米能力は10万t/年。4万2000tの低温自動倉庫を有しており、農家から直接米を買い取ることができる体制を整えている。

角田工場のパックご飯製造ライン
角田工場のパックご飯製造ライン
 今回角田工場に導入したラインは、精米した直後の米をパックご飯に加工する設備。1階にある精米装置により15℃以下の環境で精米した低温製法米を、10秒程度で2階のパックご飯の製造ラインにパイプで直接送り込み、新鮮な状態のままパックご飯に加工する。パックご飯製造ラインでは、洗米・浸水、充填、加圧殺菌、注水工程を経て、90分間蒸気でむらなく炊飯する。その後、冷却・除水、各種検査の後、包装され出荷する。一連の工程では、基本的に人手を介することはない。同社独自の無菌設備と品質保持手法により、添加物を使用せずに低温製法米と水のみで加工できるため、ご飯本来のおいしさを保ち、いつでも電子レンジで手軽に調理できるとしている。

 今回の設備導入に伴う設備投資額は約30億円。生産能力は日産25万食で、初年度30億円の販売を計画している。

 初年度からフル稼働に近い状態で生産する計画で、「初年度からフル生産で、売り上げをとることができたら、2ライン目、3ライン目を導入することも検討している」(アイリスオーヤマ 食品事業部 執行役員事業部長兼アイリスフーズ(株)取締役社長 山田次郎氏)としている。
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