商業施設新聞
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
第55回

エム・ケー(株) 代表取締役 小林勁氏


企画力を強みに大型開発進める
今後は付加価値を重視

2016/11/29

エム・ケー(株) 代表取締役 小林勁氏
 エム・ケー(株)(東京都日野市大坂上1-30-28、Tel.042-589-0222)は、ヘッドリースを事業の柱に、区画整理や大規模開発、分譲事業などを手がけ、開発を通じて街づくりに貢献している。独自のノウハウを活かした企画力に定評があり、行政機関をはじめ多方面から高い信頼を得ている。これまでの取り組みや今後の展開などについて同社代表取締役の小林勁氏に話を聞いた。

―― 創業は。また、現在の事業展開は。
 小林 1988年に創業し、マンションの1棟売りからスタート。その後、仲介や戸建て販売なども手がけ、法人の寮・社宅、有料老人ホーム、倉庫や物流施設の開発も始めた。バブル崩壊を転換期としてヘッドリース(サブリース)事業を始め、今や会社の柱となった。そのほか大規模な区画整理なども行い、複合的な開発を行うことで地域の活性化にも寄与している。

―― これまでの開発案件(土地活用)は。
13年3月には「イオンモールつくば」の開発も手がけた
13年3月には「イオンモールつくば」の開発も手がけた
 小林 西濃運輸や佐川急便の配送センター(ともに埼玉県所沢市)など単独の倉庫・物流施設、土地区画整理で行ったネクストコア清久(埼玉県久喜市)、商業施設ではイオンモールつくば(茨城県つくば市)などを手がけてきた。
 特に、2013年度に開発したネクストコア清久は、約12万坪の広大な土地に工場、倉庫などを集積した一大産業系工業団地だが、5年という短期間で開発を行った。また開発許可、普通借地権による賃貸および転賃で携わったイオンモールつくばも約6万5000坪の土地で開発した。イオンモールつくばは、まちづくり3法の改正時期と重なったこともあり、約12年かかったが、13年3月にオープンした。

―― 貴社の強みは。
 小林 土地を活かす「企画力」だ。ここの立地であればこういった企業が適しているだろうといったノウハウを蓄積していることに加え、開発許認可やスケジュールが綿密にしっかりしていることも大きいだろう。当社は様々な場所で開発を行ってきた経験から、立地に適した企業を選別できる。例えば区画整理であれば、自治体が求めるものと当社が開発するものに大きな差が出ない。こうしたことが、自治体や行政からの信頼につながっている。
 また、開発の許認可は時間的なスケジュール感が非常に難しい。そこを綿密に立て、丁寧にフォローし、発注先もしっかりとコントロールする。これを見たら自治体は、当社に頼めば期間内に完成まで持っていってくれると安心できる。加えて、地主の方々ともトラブルなく進めていくことができるのも強みと言える。

―― 現在の案件は。
 小林 茨城県の五霞町でネクストコア五霞の開発を行っている。ここは土地約10万坪に物流、商業施設、工場などの複合開発を行っている。圏央道の五霞ICの脇に位置し、新4号国道に隣接していることから、立地は商業施設に向いている。だが、元々人口9000人の小さな町なので商圏人口が少ない。でも町は商業施設の誘致を要望しているので、それに応えるよう、出店企業を探している。現地はまだ造成中で、完成まであと3年くらいかかる。商業施設は最後の方に決まるだろう。
 そのほか、東京都あきる野市、静岡県三島市、神奈川県海老名市、埼玉県桶川市などで土地区画整理が進行中だ。

―― 今後の展開は。
 小林 地方の開発は、20年を境に相当減ると思う。都心のビルへの投資のほうが収益が出るかもしれない。当社も品川のビルか、海老名の土地かを悩んで、将来的な付加価値で海老名を選んだ。これからの不動産は付加価値というところに目を付けていかないといけないと思う。再開発に近いようなところを手がけていきたい。

(聞き手・若山智令記者)
※商業施設新聞2166号(2016年11月1日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.207

サイト内検索