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国交省住宅局の和田康紀氏、新たな高齢者居住支援施策を講演(1)


サ高住は地域包括ケアの重要拠点に、今後5年は量・質とも充実が重要

2016/7/19

和田康紀氏
和田康紀氏
 日本計画研究所(JPI)主催によるJPI特別セミナーが、5月27日に東京都港区南麻布のJPIカンファレンススクエアIIで行われた。テーマは“国交省が取組む新たな「高齢者居住支援」施策”で、国土交通省 住宅局 安心居住推進課長(現国土交通省住宅局住宅政策課長)の和田康紀氏が登壇し、サービス付き高齢者向け住宅と高齢者の居住支援を中心に、国土交通省の施策の動向について解説した。

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◆サ高住の現状・課題、居住支援の方向性
 国土交通省の住宅局 安心居住推進課は、高齢者の住まい、特にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備促進、住宅セーフティネット対策事業などを中心に行っている。講師の和田康紀氏は、1992年に一橋大学法学部を卒業後、厚生省に入省。医療・福祉・年金などの分野を担当し、2010年に厚生労働省 大臣官房 企画官、12年に三重大学人文学部法律経済学科 准教授(出向)、15年10月からの住宅局 安心居住推進課長を経て現職に従事している。

 今回のセミナーでは、日本が本格的な超高齢社会を迎える中、高齢者が安心して暮らすことができる住まいの確保がますます重要となっていることを前提に、サ高住と高齢者の居住支援を中心に最新施策の動向について詳説した。

 テーマは大きく(1)高齢者の住まいについて((1)高齢者の住まいの現状、(2)地域包括ケアにおける住まい)、(2)サービス付き高齢者向け住宅について((1)サービス付き高齢者向け住宅の現状・課題、(2)取組み事例と施策の方向性)、(3)高齢者の居住支援について(居住支援の現状・課題、(2)取組み事例と施策の方向性)を挙げた。

◆高齢化は時間軸と地域軸で考える必要性
 和田氏は前置きとして、高齢化について時間軸と地域軸で考える必要があると指摘する。時間軸では団塊の世代が75歳以上を迎え後期高齢者となる25年が山になるため、高齢化対応が求められ、団塊ジュニアが高齢者になる今から20年後の35年には、現在60歳前の人も80歳近くになり、高齢者人口はさらに増え続けるため、高齢化の山はまだ先にもあるという。また、地域軸で見ると、東京、大阪、名古屋などの都市部は今後、高齢者が増え続け、逆に地方都市は人口が減少し、高齢者人口は減るものの、同時に若年層の人口も減少するため地域をいかに維持するかを考えることが必要としている。

(続きは本紙で)

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