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タムスグループ、グループ6番目のタムス瑞江病院を2月1日開院(2)


地域に根差した医療・福祉・保育の提供拡大、多施設連携で切れ目のないサービス展開

2023/3/28

 タムス(=tums、桐和会ユニバーサル・メデイカル・サービス)グループの(医)社団城東桐和会は、グループ6番目となるタムス瑞江病院(東京都江戸川区南篠崎町3-25-13、Tel.03-5879-7821)を2月1日に新設開院した。同病院は、病床数が60床(急性期一般病棟15床、地域包括ケア病棟45床)、診療5科(整外、内、外、麻、リハ)。

 開院にあたっては、それ以前の1年6カ月の間に合計5回の地域住民向け説明会を開催し、タムス瑞江病院の役割や、テーマごとに分けて健康に必要な医学講座を開催してきた。今後も、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑みながら、出張出前講座やオープンホスピタルの実施など地域の人に開放されたタムス瑞江病院を指向していく。

広々としたリハビリテーションルーム
広々としたリハビリテーションルーム
リハビリテーションルームに備わる先端治療機
リハビリテーションルームに備わる先端治療機

 同病院事務長の久保慎一朗氏は「開院に際して急性期の医療機関や、地域連携室のスタッフが地域の施設を訪問したところ、コロナ禍によって、『高齢者の転倒や発熱時の受け入れ先がなかなかない』との声が多く、タムス瑞江病院が担う役割と合致する部分があり、今後これらの要望に応えていきたい」と話す。同氏は「日常診療だけでなく、救急体制を強化し、救急受け入れができる体制を構築し、加えて整形外科を中心とした手術の実施体制を整え、地域の要望に応えていく。さらに在宅医療の要望も高い状況があり、グループ内外の在宅医療を担う医療機関とも連携しながら、江戸川区の地域包括ケアシステムに耐えうる病院にしていきたいと考えている。地域の医療機関などを挨拶して回ると、『このような病院を待っていた、ぜひ患者を紹介したい』という期待感に溢れた好意的な言葉を頂戴している」とも述べる。

感染症対応用陰圧装置を設置した1床室
感染症対応用陰圧装置を設置した1床室
 タムスグループは、医療の提供を主軸に、介護施設の入居者や保育園の園児の急な体調不良や、定期健診の際に、柔軟に対応できる体制を整えてきた。東京都内の城東地区(江戸城(現在の皇居)の東側)を中心に展開する同グループにとって、拠点が集中する江戸川区でタムス瑞江病院という急性期病院を開院することは、医療・福祉・保育でより幅広い利用者を支援できることを意味する。これまでのつながりを活かしながら、切れ目のないサービスの提供を強固なものにしていく。

 タムスグループは、タムス瑞江病院のほかに、ケアミックスの東京さくら病院(東京都江戸川区、許可病床378床(回復期リハ180床、医療療養120床、地域包括ケア40床、緩和ケア38床)、認知症専門の川口さくら病院(埼玉県川口市、許可病床数340床〈認知症治療240床、急性期一般30床、地域包括ケア30床、回復期リハ40床〉)をはじめ、タムス市川リハビリテーション病院(千葉県市川市、回復期リハ100床)、タムス浦安病院(千葉県浦安市、許可病床199床〈回復期リハ134床、地域包括ケア44床、緩和ケア21床〉)、最成病院(千葉市花見川区、許可病床199床〈急性期一般93床、医療療養21床、回復期リハ38床、地域包括ケア47床〉)の6病院に加え、24のクリニック、13の特別養護老人ホーム、2つの介護老人保健施設、3つのグループホーム、10の保育園、5つの病児保育室、3つの幼児向け地域支援施設を展開している。多くの施設が相互に連携し合うことで切れ目のない医療・福祉サービスを提供し、地域の人々に「あんしん」と「まごころ」を提供することを目指している。

 タムスグループは、より多くの人たちに地域に根差した医療・福祉サービスを提供するため、事業拡大への挑戦を続けている。2022年には、医療法人社団 有相会の約550人の職員と、最成病院、老人保健施設「ゆうあい苑」(千葉市花見川区、定床数100人、通所定員80人)、健診センターをはじめとする事業所をグループに迎えた。同年10月には特別養護老人ホーム「タムスさくらの杜 南葛西」を開設し、江戸川区内の要望に応えるため“共生型サービス"を採用。さらに23年はタムス瑞江病院を開院した後、4月には「タムスわんぱく保育園花見川」を認可の事業所内保育事業として新規開園、同年10月には特別養護老人ホーム タムスさくらの杜 花畑の開設を予定している。

手術室
手術室
休憩室はイベント開催にも活用可能
休憩室はイベント開催にも活用可能

 また、23年4月には「障がい者業務推進部」を設立する予定で、業務の多様性を活かし、多くの人が安心して働くことができるように環境を整える。障がい者雇用については、タムスグループではすでに55人の障がいを持つ従業員が活躍している。「人材活躍推進チーム」が支援し、それぞれの特性に合った業務を提案、安心の従事環境を提供している。

 タムスグループは、1993年に東京都江戸川区に最初のクリニックを開業して以来、2023年3月で30周年を迎える。当初から一貫して、患者・利用者の目線に立った「やさしい医療・介護ケア」「真に必要な医療・介護ケアサービス」の提供に取り組んできた。クリニックは利便性の高い場所、夜間診療や休日診療、病児保育室などをいち早く導入、新時代に必要なサービスを積極的に展開している。タムスグループは「あんしん」と「まごころ」をスローガンに、人に優しい真に頼れる医療とリハビリ・介護ケアを実践している。

(この稿終わり) (笹倉聖一記者)

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