商業施設新聞
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第5回

(株)ミルキッシモ 代表取締役 黒川浩二氏


大型郊外SCにシフトチェンジ
15年は5店を出店、今後も加速

2015/12/1

(株)ミルキッシモ 代表取締役 黒川浩二氏
 北海道発のジェラート専門店「ミルキッシモ」を全国・海外に展開する(株)ミルキッシモ(北海道函館市桔梗5-22-27、Tel.0138-47-9979)は、この1年で出店立地の路線変更を図り、この出店戦略が功を奏している。今年は大型SC内へ5店をオープンし、11月にはマレーシアにも出店を控えている。同社の出店戦略、ビジョンについて、代表取締役の黒川浩二氏に話を聞いた。

―― ブランドの概要について。
 黒川 北海道は自然が豊かで、素晴らしい食材が沢山ある。ブランド立ち上げには、北海道の良い素材を全国・海外に発信していきたいという想いが根底にあった。そのため徹底的に「北海道産」にこだわっている。原材料は函館近郊の低温殺菌牛乳を100%使用し、野菜や果物は主に北海道産の物を使用している。約80種類フレーバーがあるが、着色料・香料を使用しているのは3種類だけだ。
 2009年に1号店を北海道・函館にオープンし、11年に道外に進出を果たした。現在は14店を国内に展開している。

―― この1年で大幅に立地の変更を行っています。
 黒川 これまで都市圏の駅前の立地へ出店を進めたが、思ったよりブランドの強みが活かせなかった。ジェラートは生活に密着した食べ物ではなく、人通りが多い立地であればニーズがあるというわけではない。駅前への出店が多いコーヒーチェーンなどとはニーズが異なる。当店のジェラートには、普段より美味しい物、良い物を食べたいというニーズが多く、「非日常感」のある大型郊外SCが理想的な立地と考え、シフトチェンジを図った。契機になったのは14年12月に開業したイオンモール岡山への出店だ。今年はイオンモールへの出店が続き、5店をオープンしている。

―― 特に、7月に開店したイオンモール広島府中店が好調です。
フードコートへ出店した「ミルキッシモ広島店」
フードコートへ出店した「ミルキッシモ広島店」
 黒川 イオンモール広島府中のフードコート「ROJI Dining」は、「上質さ」をコンセプトにしており、特にブランドのコンセプトにマッチしていた。売り上げも好調で、月商1000万円を超えた。この店は、ジェラートだけでなく、北海道産生クリームにこだわったクレープも提供しているが、これも高い支持を得ている。

―― ブランドの強みは。
 黒川 様々な店舗面積に対応できる点だ。標準店舗面積は8坪だが、4~20坪と商業施設に合わせた店作りが可能だ。大きく分けてカフェ形式とテイクアウト専門形式の2形態で展開しているが、テイクアウトなら4坪あれば営業できる。
 イオンモール沖縄ライカム店は20席程度を設けているカフェ形式で約20坪だ。ジェラートがメーンだが、そのほかクレープ、ガレット、ドリンク類など多彩なメニューを用意しており、周りのテナントとの親和性やニーズによってメニューも調整することが可能だ。新商品の開発にも注力しており、たっぷりのソースの上に、クレープを載せて皿で提供する「スイムクレープ」の販売を予定している。紙で巻いて食べ歩きできる、いわゆる「原宿スタイル」のクレープと差別化を図り、見た目にもおしゃれで、他店にはないものにこだわっている。

―― ターゲット層は。
 黒川 圧倒的に女性の利用が多い。平均客単価は420円程度で、ジェラートとして決して安価ではない。そのため10代ではなく、20~40代の女性、子ども連れのファミリー層の利用が多い。そうした点も郊外型SCは理想的な立地といえる。

―― 「ショーケース」が集客につながっています。
 黒川 そのとおりだ。ショーケース内のデコレーションが特徴で、フレーバーに使用している野菜や果物のイミテーションを添え、華やかでインパクトのある立体的なデコレーションを施しており、これが一番の集客装置だ。お客様に驚き、感動して頂けることが多い。五感を刺激する盛り付けで他社との差別化を図っている。
 このデコレーションは空気をたくさん含んでいる「作りたて」でないとできない。各店舗にジェラートマシーンを設置することで、作り立てのジェラートを提供し、特徴的なデコレーションを実現している。

―― 今後の出店エリアは。
 黒川 ここ1年で確立した郊外型SCへの出店をさらに進めていく予定で、今年のペース以上で出店していきたい。ブランドの認知度をアップするには大規模改装や新規開業のタイミングが理想的だと考えており、当面はこういったタイミングで出店していきたい。

―― 最後に今後の目標を。
 黒川 北海道の良い物を発信するというのがミッションだ。ブランドを通じ、「北海道」「函館」という地名を「シアトル」「ケンタッキー」のように、さらにメジャーなものにしていきたい。アジア圏では「北海道」の知名度が高まっているため、アジア圏への出店も積極的に図っていく。

(聞き手・大塚麻衣子記者)

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