商業施設新聞
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第4回

明治屋産業(株) 業務執行役員第一事業本部本部長 西浜勝夫氏


ミート事業は2年後に100店体制
人も商品も目指すは「本物」

2015/11/24

明治屋産業(株) 業務執行役員第一事業本部本部長 西浜勝夫
 本社のある福岡を拠点に、ミート事業やデリカ事業などを手がける明治屋産業(株)(福岡市博多区博多駅東2-14-1、Tel.092-432-9511)。創業時から展開しているミート事業では、スーパーマーケット(SM)、百貨店、駅ビル、ショッピングセンターと、様々な立地条件で精肉店を出店している。同社業務執行役員 第一事業本部 本部長の西浜勝夫氏に、ミート事業の現状および今後の展開を聞いた。

―― ミート事業の変遷について。
 西浜 当社は1962年3月に精肉の小売業を営む会社として設立され、72年4月に現在の社名になった。ミート事業は、63年に福岡県直方市に1号店を出店、立地する町名にちなんで屋号を「肉の明治屋」とした。当初はSM内への出店が多かったが、79年10月に「黒崎そごう」に出店し、百貨店内への出店も果たした。今ではSM、百貨店、駅ビル、商業施設など、あらゆる立地に出店している。

―― 現在の店舗数を。
 西浜 81店(15年8月末時点)を数える。部門別の内訳は、SMやディスカウントストア(DS)に出店する量販部門が44店で、百貨店などのインショップとして出店する専門店部門は37店だ。エリア別では、本社を置く九州地方が34店(量販部門30店、専門店部門4店)と多く、次いで関東地方の28店(量販11店、専門店17店)、関西地方の19店(量販3店、専門店16店)と続く。

―― 業態別では。
 西浜 13年までミート事業部を関東(東北を含む)、関西(中・四国を含む)、九州の3つのエリアに分けて展開していたが、14年より部門制度を導入し、前述の量販部門と専門店部門の2つに集約した。量販部門は、地域密着型、もしくは郊外型のSMやDSの売り場でセルフ展開。一方、専門店部門はデベロッパーに応じて「肉処壱丁田」「肉処えんや」「BIGBIG」などの屋号を使い分けて、対面および側面販売での展開を行っている。

―― 貴社の強みを教えてください。
 西浜 当社は各店舗の支店長に権限を委譲しているので、自店の地域に合った商材や仕入れ交渉、売価設定、セール時期の決定などをリアルタイムに展開できることが大きな強みと言えるだろう。
 また、最もお客様目線に近いパートやアルバイトを含む、全従業員を対象に、四半期ごとの統一企画表彰制度による商品提案に参加させ、表彰対象商品を全店舗に導入し、売上・利益に貢献。このような企画を実施することで、モチベーションアップを図り、考える楽しさや感動を与え、店舗間の競争力を高めることで、人も商品も本物を目指す。

―― 今後の出店計画について。
専門店部門で展開する「肉処えんや」(写真は咲が丘店)
専門店部門で展開する
「肉処えんや」(写真は咲が丘店)
 西浜 15年度は「かん田」を2店出店済みで、9月には3店目をオープンする予定。肉処えんやも2店を新規出店した。このほか、15年内に4店(量販2店、専門店2店)の新規出店を計画している。今のところ、ミート事業は2年後に100店体制を構築するという目標を掲げている。

―― 100店体制の構築に向けた課題とは。
 西浜 多店舗展開を加速するうえで、人材の獲得や育成は大きな課題である。獲得に関しては、これまでの総合職(全国転勤の可能性有り)に加え、地域限定社員の新制度も導入。この制度は新入社員だけでなく、パートタイマーにも適用していく。
 育成面では、4月に入社した新入社員を対象に、フォロー研修を実施。毎年6月に同研修を行っており、目標がぶれていないか、学生と社会人のギャップが埋められているか、などを確認する。併せて、新入社員が問題点を抱えていれば、それを吸い上げるという作業も行っている。

―― 最後に、今後の抱負を。
 西浜 現在、当社は素材を重視した精肉店を多店舗展開しているが、いずれは惣菜分野への進出も視野に入れている。また、出店立地も前述のSM、百貨店、駅ビル、商業施設に加え、駅ナカ施設への出店も検討中である。そして、ミート事業で100人の支店長を輩出したいと願っている。

(聞き手・大阪支局長 岡田光)

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