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第42回

大同メタル工業 前原工場、船舶・DC向け軸受生産の主要拠点、需要拡大で能力増強投資を実施


2026/7/21

 大同メタル工業(株)(名古屋市中区栄2-3-1、Tel.052-205-1400)は、「世界唯一の総合すべり軸受メーカーとして世界No.1の企業であり続ける」を社是として掲げ、自動車向けを中心にあらゆる産業分野に向けて、製品を提供している。2026年3月期では、自動車用エンジン軸受が売り上げの52.5%を占めているが、将来のバッテリー電気自動車(BEV)化による市場の縮小を見据え、他分野への展開拡大を進めており、そのうちの1つの分野が船舶用エンジンや産業用発電機などに向けた軸受を扱うマリン・エネルギー事業である。

 同事業では、大型船舶の推進エンジン用に使用される低速エンジン用軸受、船舶の補機や中型船舶の推進エンジン、産業用発電機に使われる中高速エンジン用軸受などを扱っており、その比率は低速エンジン用が42~43%、中高速エンジン向けが41~42%。ガスタービンや水力発電、風力発電など電力エネルギー向けが残りの15~17%を占める。

 世界の船舶建造量は貿易量の増加などにより今後の拡大が見込まれており、産業用発電機もデータセンター(DC)向けの非常用発電機の需要増加や常用電源用での採用の動きもあり需要が急拡大している。これに伴い、同社の軸受の売り上げも拡大しており、同社ではこれに対応した生産体制の構築を進めている。

 これらのエンジン向けの軸受の生産を担当するのが、同社犬山事業所(愛知県犬山市大字前原字天道新田)内にある前原工場である。中高速エンジン向けの軸受は12年に設立した関係会社の大同インダストリアルベアリングジャパン(株)(DIBJ)に移管。前原工場は低速エンジン向けに特化している。

前原工場第3工場の外観
前原工場第3工場の外観
 前原工場は1968年に創業。第1工場、第2工場と新設した第3工場の3工場で構成されている。第3工場はDIBJが担当しているめっき工程を増強する目的で建設。1階がめっきライン、2階が事務所など、3階が検査・梱包ラインとなる。めっきラインは2026年度中に2ライン導入する計画で、1ライン目は稼働を開始しており、現在2ライン目の導入を進めている。

 前原工場での低速エンジン用軸受の生産工程は、アルミ・銅合金製品については主に第2工場で切断・成型した後、第1工場で機械加工・仕上加工を施し、要望に応じてコーティング・めっきを施して、検査・梱包・出荷を行う。ホワイト(スズ)合金製品については、切断・成型後に鋳造の工程を経る。

新たに導入した2000tプレス機
新たに導入した2000tプレス機
 25年度には第2工場に2000tプレス機を新たに導入、従来の300t、800t、1000tのプレス機とあわせ計4台のプレス機で成型加工を行っている。2000tプレス機ではロボットによる搬送を行っており、従業員の作業負担を低減。また、成型工程の能力増強を図り、大型製品にも対応している。

 26年3月には加工工程で高さ加工機の5号機を導入した。これにより高さ仕上の工程の生産能力を増強するとともに、従来外部に委託していた工程の内製化を進めている。26年度中には肉厚加工に使用するボーリング6号機を導入する計画で、肉厚仕上げ工程の生産能力増強を図るとともに、顧客の形状に対応した新加工技術を搭載する予定だ。

 加工工程では、23年に新FMS(Flexible Manufacturing System)を3台導入した。加工機と搬送設備を一体化してフレキシブルに加工を行う設備で、これにより工程集約による工数低減や社外加工費の低減を図った。

 中高速エンジン向け軸受を担当するDIBJは、めっき工程の前原工場第3工場のほかに、塔野地工場(愛知県犬山市塔野地岩田8)を有している。DC向けや船舶向けの高需要対応のために生産能力の増強を進めており、同工場では25年に第3工場を竣工し、前原工場から設備を移設してきた。DC向けに800tプレス機の改造を進めており、搬送速度の向上を図る計画。マシニングセンターを導入し、複雑な形状の製品に対応している。この設備をもう2台導入する計画で、古い設備を撤去して、その場所に設置する。さらに、船舶用の発電機向けの軸受け加工用にMC加工設備を1台導入する。

 塔野地工場が担当する中小型エンジン向け軸受は、小型でシンプルなものが多いため、これを早く製造できる体制を構築している。10工程程度の加工を自動で行っており、従来はベルトコンベアで対応していたところをピック・アンド・プレイス方式に変更し、速度の向上などを図った。同工場では、様々なラインを有してフレキシブルに対応する計画である。

 大同メタル工業では、26~27年度にマリン・エネルギー事業に200億円の追加投資を実施する計画。前原工場やDIBJでも積極的な投資を進めており、これにより同事業の生産能力を23年度比で30%増強する予定だ。


(編集長 植田浩司)

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