今世界を騒がせていることと言えば、中東情勢とホルムズ海峡閉鎖、そして世界的な原油・石油製品の不足だろう。日本も例外ではなく、様々なメディアでは原油供給の見通しや、ナフサの供給不足で様々な製品の生産に影響が出ていることが報じられている。
そんな中、先日住宅設備などの大手であるTOTOが原材料不足により、ユニットバスなどの新規受注を中止するというニュースが報じられた。また同じく設備大手であるLIXILなども、製品の納期について未定とすると発表している。TOTOはその後受注を再開すると発表したが、見積もり価格については以前の水準からかなり上がるのではないかと心配されている。こうした動きは、近年ただでさえ高止まりしていた住宅や店舗などの施工費用について、さらにコストを押し上げる結果になることは想像に難くない。
食品スーパーではあらゆるところで石油製品に依存したトレーが使われている
また建材だけではなく、身近なところでは食品に使われるビニール・プラスチック製のトレーなどについても供給不安が出てくる可能性が指摘されている。先日行われたライフコーポレーションの決算説明会においても、食品トレーの価格上昇や、そもそも供給が止まってしまう可能性については、今後の不安要因の主なものとして挙げられていた。
このように食品トレーの不足が心配されている中、近所のスーパーに足を運び、改めて食品トレーがどれくらい使われているのかを確かめてみた。当たり前のことだが、生鮮売り場では精肉・鮮魚は当然ほぼすべてでトレーが使われているし、総菜はプラスチック製の入れ物に入れられて売られている。またフィルムを使ったパッケージに収められている加工食品は数えきれない。もしこれらのパッケージについて供給不安が起きると想像するとぞっとさせられる光景だった。
もちろん、こうした不安に対し、政府は何もせず手をこまねいている訳ではないだろう。原油の調達についてはホルムズ海峡に依存しない代替ルートを通しての供給をすでに決めており、またナフサを原料とした製品の供給不安についても、現段階では総量において不足するような事態はすぐ起こらないとし、流通ルートにおけるスムーズな流通を働きかけている。またライフコーポレーションの岩崎社長は、先の決算説明会において、現状の供給不安はおそらく問屋などの流通業者の売り惜しみなどが主要因だという見通しを立てていた。このように、流通ルート起因の問題で供給不安が起きているのならいずれ解消するとは思われるが、そもそも根本として中東情勢が不安定な状況にある以上、価格の高騰は避けられないように思える。いずれにせよ一刻も早い事態の収束を願うばかりだ。