日本フードサービス協会は、記者懇談会を2月25日に開き、食料品の消費税をゼロにすることに対する意見を表明した。久志本京子会長は「食料品の消費税率をゼロとする場合には、安定的財源の確保と、相当な準備期間(周知期間、レジシステムの準備など)が不可欠で、物価高騰対策としての即効性には疑問が残る」と述べた。仮にゼロになった場合でも、「内食と外食の間で税負担の差が拡大し、飲食店は客離れを起こすことになり、経営に重大な影響を及ぼす。このような課題を踏まえ、食料品の消費税をゼロにすることについては、慎重な対応を政府に要望する。給付付き税額控除の導入を早急に進めるとともに、制度的な問題(イートインとテイクアウトで税率が異なる「一物二物価など」)がある軽減税率制度については抜本的な見直しを検討すべきである」と主張した。
他方、日本政府も給付付き税額控除の導入に向けた動きを進め、導入までのつなぎとして食料品の消費税ゼロについて国民会議で協議したいとしていることから、実際には日本フードサービス協会の主張が通るようにみえる。ただし給付付き税額控除は、国民の金融資産や不動産所得の正確な把握が前提となるため、導入までには膨大な作業や調査が必要になる。このため、現在の物価高への即効対策にはならないと目されている。それまでの期間をどうするかが喫緊の課題となる。
ハイデイ日高の青野社長(中央)、キリンビールの江田執行役員(右)、永昌源の大山社長(左)
取材で訪問した飲食各社に意見を聞いてみた。春のキャンペーンを飲料会社とともに発表した、ハイデイ日高の青野敬成社長は「基本的には政府が決めたことには従う」と前置きした上で、「仮に飲食産業の消費税率もゼロになったとして、2年間限定の消費税率ゼロでは、その前と後に2回のレジシステムの交換が必要になり、費用負担が高額となる。経営を圧迫する店や企業は多く、飲食業界としてはかなり厳しいと思う」と話した。
中華専門店「大阪王将」を展開する、イートアンドの広報担当者は「食料品販売のみが消費税ゼロになると、外食事業は厳しい。ただし、当社は『大阪王将』の味を家庭にお届けする冷凍食品を製造・販売する食品事業も強化している。食品事業にとっては、消費税ゼロは追い風になる」とする。
丸亀製麺の広報担当者に食料品消費税ゼロについて尋ねると、「当社は“ものを売るのではなく、体験価値(感動)を売る”ことを、トリドールグループとして第一義にしている。これに向かって、できることを精一杯やるだけである」と返答した。
物価高の時にこそ、安価でおいしい食品を提供し、消費者に夢と希望を抱かせる外食・食品各社にエールを送りたい。