(株)日本医療企画と月刊『最新医療経営フェイズ・スリー』は、フェイズ・スリー創刊30周年記念フォーラム「地域医療大再編時代の幕開け!! 機能別病院経営の戦略と戦術」を、3月4日に大和ハウス工業(株)東京本社で開催した。今回は、(社医)慈生会理事長の伊藤雅史氏、(医)伯鳳会グループ理事長の古城資久氏、聖光会グループ理事長の西村直久氏の各講演で語られた、各法人の施設展開や取り組みを概説する。
◇ ◇ ◇
◆地域と共に生きる慈生会(伊藤理事長)
慈生会は、「地域と共に生きる 慈しみのトータルヘルスケア」を理念に掲げる。慈生会が運営する等潤病院(在宅療養支援病院、東京都足立区)は、病床164床(一般114、地域包括ケア8、回復期42)、DPC対象病院、10対1、平均在院日数12.3日、病床稼働率84.5%、診療8科(内、外、整、脳外、麻、放、救、皮)、血液浄化センター・心臓血管センター・検診センターを併設し、2次救急指定、救急搬送2573件(2013年度)、地域救急医療センター(東京ルール)、都脳卒中急性期医療機関B、320列CT、バイプレーン、3T-MRIといった特色を備える。また、常楽診療所(在宅療養支援診療所)が居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、グループホーム、通所リハビリの機能、施設を備える。このほか、14年4月に老人保健施設イルアカーサを開設した。
◆エリア拡大する伯鳳会グループ(古城理事長)
伯鳳会グループは、1999年時点で、古城資久氏が父親から継承した赤穂中央病院、老健施設およびデイケアの伯鳳会プラザ、訪問看護の伯鳳会ステーションのみを人口4万9000人の兵庫県赤穂市で運営していた。それが15年には、この4施設に加えて、病院では赤穂はくほう会病院、明石リハビリテーション病院、産科婦人科小国病院、大阪暁明館病院、白鬚橋病院、診療所ではイオン診療所、西九条クリニック、そして老健4施設、特養2施設、デイケア4施設、訪問看護1施設、サ高住、小規模多機能、就労支援施設、専門学校2校、グループホーム1施設、デイサービス5施設、訪問介護3施設を展開している。医業総収入では、99年の約53億円から14年に240億円、経常利益は99年の約5.5億円から14年に40億円となった。また、医業総収入は尼崎市の新拠点が加わることで、15年は300億円となるという見通しを述べた。
事業エリアは、赤穂市、人口1万6000人の兵庫県神河町、人口30万~50万人の兵庫県の姫路市、明石市、尼崎市、伊丹市から、大都市エリアの大阪市、さらに、東京都墨田区の白鬚橋病院にまで拡大している。
(続きは本紙で)