商業施設新聞
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第487回

(株)ユビレジ 代表取締役 木戸啓太氏


POSシステムなど展開
コストや業務削減で高評価

2025/7/15

(株)ユビレジ 代表取締役 木戸啓太氏
 (株)ユビレジ(東京都渋谷区)は、iPadを活用したSaaS型POSシステム「ユビレジ」の開発・提供を行う。さらに基幹システムとの連携や各企業のニーズに合わせたカスタマイズができる大規模展開・チェーン店向けサービス「ユビレジ エンタープライズ」といった各種サービスを通じて、DXの推進や店舗業務量の軽減・削減などに寄与している。サービス導入企業からは「大きな効果があった」などの声も多く、“カスタマーサクセス”の実現を図る。同社代表取締役の木戸啓太氏に聞いた。

―― 貴社の事業内容から。
 木戸 創業時にスタートしたクラウド型POSレジシステムの「ユビレジ」をはじめ、iPhoneなどをオーダー端末として利用する「ユビレジ ハンディ」、スマホで注文や決済ができる「ユビレジ QRオーダー&決済」などオプションサービスを拡大してきた。24年からは大規模展開・チェーン店向けに、より複雑な業務要件や高度な運用体制に対応する「ユビレジ エンタープライズ」の提供も開始した。すべてはDXを通じた店舗業務の改善などによって、顧客の成功=カスタマーサクセスにつなげたいという想いだ。

―― 「ユビレジ」の導入企業や業種は。
 木戸 導入数は飲食企業が多い。また、大規模なところでは大学生協事業連合に導入いただいている。大学生協は学食、購買、書店など全国の大学に計1000店以上で「ユビレジ」が活用されている。このほか、商業施設では万葉倶楽部(株)が運営する東京・豊洲の「千客万来」の全テナントにも導入している。

―― サービスの特徴は。
 木戸 単なるクラウド型POSレジシステムというだけでなく、DXを進めるためのソリューションとして、オプションのハンディやQRオーダー&決済、新サービスのエンタープライズなどを提供しているところだ。「ユビレジ エンタープライズ」では、店舗業務量の軽減・削減など各企業・店舗の課題に対し、システム面のサポートを行い、伴走しながら顧客の「どう変わりたいか」の実現を目指して提案・コンサルティングなども手がけるなど、深いところまでお付き合いする。
 ユビレジの導入企業からは、大きな反響をいただいている。23年に導入した(株)DDグループ(ダイヤモンドダイニングの全直営店に導入)からは「従来のシステムと比べて、運用コスト・ランニングコストだけで年間5000万円の削減効果があった」という声をいただき、導入コストを想定以上の短期間でペイできたそうだ。
 また、DDグループではオーダーの方法をQRコード型にすることで店舗スタッフの業務量軽減にも寄与。QRコード型とすることで、スタッフが注文を取るという作業がなくなり、さらにテーブルトップオーダー形式だった店舗ではタブレットのメンテナンスなども必要ない。そうして浮いた時間で注文を取る以外の接客、より価値のあるお客様との接点づくりなどに充てることができ、結果的に業務量の削減、接客の質の向上などにもつながる。

―― モンテローザグループに「ユビレジ エンタープライズ」を導入しました。
 木戸 元々別の企業がPOSレジシステムを請け負っていたが、(株)モンテローザが大規模なシステム刷新プロジェクトを推進する中、「ユビレジ エンタープライズ」を導入していただいた。3カ月のプレ導入なども行い、初月から利用率が90%など高い実績が出た。
 同グループにはQRオーダー、POSレジ、ハンディ、伴走型のカスタマーサクセスを導入。現在全店導入を進めているところで、都内は6月中くらいに導入が完了する見通し。今秋には全店(800店以上)導入できる予定だ。
 このほか、「ユビレジ エンタープライズ」は、キュービーネット(株)の「QB PREMIUM」「FaSS」の2つのヘアカットブランドにも導入が決定した。基幹システムと連携し、リアルタイムで売り上げのデータなど様々な情報が取得できるようになる。

―― 今後について。
 木戸 今、当社で一番伸びている「ユビレジ エンタープライズ」をさらに伸ばしていきたい。飲食・小売りなどの大手チェーン店やデベロッパーなど幅広い業種・業態に使っていただくことで価値が出てくる。SaaS型POSシステム「ユビレジ」とともに今後も当社の各事業を深化させ、カスタマーサクセスの実現と事業規模の拡大を図っていきたい。



(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2602号(2025年7月1日)(6面)

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