商業施設新聞
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第459回

(株)ドリームフィールズ 取締役 BIZOUX事業本部本部長 鬼木めぐみ氏


カラーストーン扱うジュエリー店
好立地の商業施設への出店も

2024/12/3

(株)ドリームフィールズ 取締役 BIZOUX事業本部本部長 鬼木めぐみ氏
 (株)ドリームフィールズ(東京都中央区)は、カラーストーンを取り扱うジュエリーブランド「BIZOUX(ビズー)」を展開する。色鮮やかで多様な輝きを見せるカラーストーンは、多くの女性を虜にしている。現在は都内や京都、大阪、福岡などに11店を展開。当初は路面店での出店にこだわっていたが、直近ではGINZA SIXなど商業施設への出店も増えている。同社取締役でBIZOUX事業本部の本部長である鬼木めぐみ氏に、ブランドや店舗の特徴、今後の店舗展開などを聞いた。

―― ブランド創業の経緯から伺います。
 鬼木 2009年に創業し、今年で15周年を迎えた。創業者が友人を通じてカラーストーンに出会い、その魅力に取りつかれたのがきっかけだった。当時は市場の90%以上をダイヤモンドジュエリーが占めていたが、すでに世界中で多様性を認める動きが起こり始めていた。カラーストーンの多様な美しさを届けることはその新しい価値観にフィットしていると考え、参入を決めたのだという。

―― カラーストーンの種類について。
 鬼木 サファイア、ルビー、エメラルドが「三大貴石」と呼ばれている。そのほかにも個性的な色や表情を持つ鉱物が数千種類あり、また同種の石にも自然が生み出す個体差がある。最近では希少石の1つ「アレキサンドライト」が人気だ。光源の種類によって緑に見えたり赤に見えたりと、多様な顔を見せる点が人々を魅了している。

―― カラーストーンへのこだわりは。
 鬼木 石を買い付ける際にはサイズや形がジュエリーに仕立てるのに適切か、ビズーとして美しいと感じる色か、などを吟味する。私たちは内包物が少なく、クリアに発色する石を優先的に選んでいる。決して内包物がない方が綺麗だというわけではないが、これがブランドとしてのこだわりの1つだ。

―― ジュエリーとしての特徴は。
 鬼木 私たちは「時代が変わっても愛され続けているものは、人にとって心地良さを感じさせるものだろう」という考え方を持っている。そのため、時が経っても色褪せないオーソドックスなデザインを基調としている。ディテールにデザイナーたちの今の感覚を反映させ、ビズーらしさを落とし込んでいる。

―― 客層は。
 鬼木 お客様のほとんどが女性で、自宅用としての購入がメーンだ。また、すでに持っているカラーストーンジュエリーとのコーディネートを楽しむ方も多い。実際に、路面店・商業施設内店舗のどちらも、お客様の約半数がリピーターだ。

―― 店舗の展開は。
 鬼木 現在は全国の主要都市を中心に11店を展開している。当初はブランドの想いや世界観を十分に表現できる空間にこだわり、路面店での出店を主としていた。そこから実績を重ね、より多くの方に知っていただけるブランドへと成長し、商業施設という利便性の高い立地に出店することも方針の1つに加わった。今では商業施設1号店の「コレド日本橋店」を含む6店が商業施設に出店している。商業施設は立地のほか、集客力でも優位性が高い。通りがかって初めてビズーを知っていただく方も多く、新規顧客とのタッチポイントとなっている。

―― 商業施設内店舗の特徴は。
9月には「NEWoMan横浜」に新店をオープンした
9月には「NEWoMan横浜」に新店をオープンした
 鬼木 ジュエリーはかさばらない商材なので、ストックルームを最小限にすることができ、その分売り場面積を確保するようにしている。また、「GINZA SIX店」や「NEWoMan横浜店」には入り口付近に「Gem Go Round(ジムゴーラウンド)」を設置している。これは多くの方に身近に感じていただけるであろう誕生石を配置した展示台で、ブランドとしてのメッセージを発信する場として機能している。

―― 今後の出店は。
 鬼木 昨今はゴールドの価格高騰の影響で製品単価が上昇傾向にある。そのためECでの購入には慎重になる方も多く、実店舗のほうが売り上げの伸びとしては大きい。こうしたことから、今後は実店舗での販売活動が一層重要になる。1店あたりの損益や出店コストのバランス、店舗数の適正値などを見極めながら出店を進めていきたいと考えている。
 立地は交通アクセスが良く人が集まりやすいエリアを優先したい。タッチポイントを増やすためにも、当面は商業施設内での出店を目指す。あわせて百貨店のジュエリー売り場での平場展開も目指したい。

―― 今後どのようにしてブランドとしての価値を高めていきますか。
 鬼木 私たちの強みであるフットワークの軽さを活かし、「こういうものがあったら嬉しい」と思える製品やサービスを提供していく。そうすることでフレッシュなブランドとしての認知を高めたい。
 ジュエリーは必需品ではないが、身に着ける人を元気づけてくれる効果があると思う。仕事や育児などに追われ目まぐるしい日々を過ごされている方が、少しでも前向きな気持ちになれるジュエリーを作り続けていく。


(聞き手・安田遥香記者)
商業施設新聞2572号(2024年11月19日)(5面)
 ズームアップ!注目企業インタビュー

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