(株)スマートフィットネス(東京都中央区)は、「スマートフィット100」をメーンブランドとする24時間営業のフィットネスジムを展開している。24時間ジムでありながら、ストレッチマシンの導入、更衣室やシャワーを設けるなど設備も充実。店舗はフランチャイズ(FC)を中心に拡大し、1月に新業態の「スマートフィット100プラスゴルフ」を出店するなど新たな試みも開始した。同社運営事業本部部長の飯島知広氏に聞いた。
―― スマートフィット100の紹介から。
飯島 2015年、千葉県浦安市に1号店の「浦安店」をオープンした24時間営業のフィットネスジムだ。店舗サイズは都市部・人口密集地で約80~100坪が平均で、地方はもう少し大きい。マシンは筋力トレーニングマシン12~13台をはじめ、フリーウエイト、有酸素マシン(ランニング、バイクなど)を設置するほか、24時間ジムでは珍しいストレッチマシンを導入している。ジムエリアに加え、24時間ジムでありながら更衣室、シャワーを備えていることも当社店舗の特徴の一つだ。
―― 店舗数は。
飯島 チェーン全体で51店(2月中旬時点)を有し、内訳は直営6店、FC45店と、FCをメーンに店舗展開を行っている。現在の展開エリアは北海道、九州、沖縄を除くエリアとなっていて、人口の多い関東に店舗が集中し、特に横浜市(6店)に多い。立地は、都心部・人口密集地はビルインやマンションの1階部分、ロードサイドなど、地方はロードサイドのスタンドアローン型が中心だ。
―― 足元の状況は。
飯島 会員数で見ると、新型コロナが落ち着き、現状は昨対比で10%弱ほど伸びている状況。コロナ禍で24時間ジムへの新規参入が相次いだこともあり、事業を取り巻く環境は決してやさしいものではないが、会員数は順調に増えており、成長を続けている。
―― 会員について。
飯島 男性が6割、女性が4割で、一般的な24時間ジムは男性8割、女性2割と言われているので、当社店舗は女性の割合が高く、また、ジム初心者も多い。
―― 女性会員やジム初心者獲得の取り組みは。
飯島 店内は明るく、柔らかい色を使ったデザインで、照度もあえて明るくし、女性やジム初心者が入りやすい設計となっている。また、独自サービスの「100日サポート」は、運動が習慣化する100日間を目標にトレーニングをサポートし、100日後にはジム通いが習慣化できるようなプログラムを組んでいる。100日サポートは、全会員数の約半数が受けている人気メニューだ。
また、当社店舗の特徴・強みとして、スタッフが常駐していることが挙げられる。店舗により異なるが、スタッフは基本的に10時~19時で常駐している。24時間ジムは無人店も多いが、当社はスタッフがいるからこそ提供できるサービスに注力した運営を行っている。
―― 新業態をオープンしました。
1月にオープンした新業態の
「スマートフィット100プラスゴルフ光が丘店」
飯島 1月にインドアゴルフ併設の新業態「スマートフィット100プラスゴルフ光が丘店」(東京都板橋区)を開業した。インドアゴルフの人気が高まっていること、24時間ジムと親和性があることなどから出店に至った。システムも上質なものを導入し、会員からの評判も上々で、インドアゴルフのニーズも確認できた。打席は4打席を設置し、ティーチングプロのトレーナーによる無料レッスンなども開催している。
今春にはスマートフィット100プラスゴルフの2号店を東京都練馬区、西武新宿線の武蔵関駅から徒歩約10分の場所に出店予定だ。打席は5打席を計画し、1号店より少し大きくなる。
―― 今後の出店について。
飯島 FCを中心に店舗を拡大していく考えで、北海道、九州、沖縄といった未進出エリアにも出店していきたい。新業態のプラスゴルフもまだトライアルの段階だが、このプラス業態はゴルフだけではなく、親和性の高い業種・業態であれば導入したい。お客様に喜ばれ、ニーズがあれば様々な業種・業態を組み合わせての出店も考えている。前述のとおり、店舗にスタッフが常駐しているので、様々なサービスを組み合わせた業態が開発可能だ。
―― 今期の出店計画は。
飯島 24年12月期は約10店の出店を見込んでおり、うち5店は出店済みも含め、すでに決まっている。新店は毎年10店前後を出していきたい。スマートフィット100ブランドでは5月、東京都豊島区に「落合南長崎店」をオープン予定。都営地下鉄大江戸線の落合南長崎駅に直結するアイテラス落合南長崎ANNEXへの出店で、豊島区初出店、店舗面積約100坪の標準サイズの店舗となる。
―― 今後の目標は。
飯島 店舗数は、直近の目標として100店体制を目指したい。スマートフィット100の認知度を高めながら店舗数を着実に増やしていければ、100店体制も遠くないし、その先の200店、300店というのも考えられる。24時間ジム業界はまだ成長の余地があるマーケットだと思っていて、新規参入などにより競争は激しくなるが丁寧な接客や効果の出るトレーニングなど当社の強みを活かし、価格競争ではなく価値競争で生き残っていく。
(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2539号(2024年3月26日)(8面)
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