商業施設新聞
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第400回

(株)ボディワークサービス 代表取締役社長 大野政嗣氏


ラフィネGが仕掛ける成長事業
「無重力」のマッサージチェア

2023/10/3

(株)ボディワークサービス 代表取締役社長 大野政嗣氏
 (株)ボディワークサービス(東京都豊島区)は、リラクゼーション大手のラフィネグループで、商業施設や温浴施設を中心にマッサージチェアの設置・展開を行っている。1回12分・300円と気軽に利用でき、設置台数や拠点数は順調に拡大。業績も成長を続け、2025年3月期は目標とする売上高20億円が見えてきた。同社代表取締役社長の大野政嗣氏に聞いた。

―― 貴社の概要から。
 大野 元々、マッサージチェア設置事業などを行っていた企業を08年にラフィネグループに吸収し、改称などを経て13年4月に現在のボディワークサービスとなった。事業内容は、ショッピングセンター(SC)などの商業施設や、温浴施設を中心としたマッサージチェアの設置・展開を柱に、ラフィネとの共同出店、法人や個人へマッサージチェアのレンタル、メンテナンスを行った中古品販売なども行っている。

―― マッサージチェアの設置拠点数や台数は。
 大野 全国1166拠点、計3267台(8月24日時点)を設置している。商業施設はSCや総合スーパーなど広域型が中心で、ニーズとも合っている。

―― 商業施設への展開を始めたきっかけは。
 大野 温浴施設より商業施設のほうが集客面で圧倒的に強く、多くの人に利用してもらえる可能性を感じていた。私自身もラフィネの店舗開発を行っていたので、ある程度ノウハウはあったし、お客様にも喜んでいただけると思った。
 商業施設への拡大は、15年4月の設置第1号店「イオンモール姫路大津」の成功が大きい。ここには、人通りの多い吹き抜け周りに3~4台を設置した。これがヒットし、マッサージチェアは人通りが多いところで、かつ衝動的に利用される人が数多くいるということが分かった。

―― その後は軌道に乗りましたか。
 大野 イオンモール姫路大津できっかけをつかんだ後は、「イオンモール沖縄ライカム」にも最初に4台、その後は同モールの複数個所に計29台を設置。月の売り上げが300万円を超えたことも確信に変わったきっかけの一つだ。マッサージチェアは固定物ではなく簡単に移動もできるため、売り上げに応じて設置場所を変更したり、引き上げることもできる。だったら最大限やってみようということで取り組んだところ、良い結果を生んだ。

―― ラフィネとの共同出店も増えています。
6月に共同出店した「ラフィネ/無重力マッサージ アトレ川崎店」
6月に共同出店した「ラフィネ/
無重力マッサージ アトレ川崎店」
 大野 同じグループとして、相乗効果を狙って共同出店を進めている。共同出店は、1区画に有人のラフィネ、無人の無重力マッサージ(マッサージチェア)を融合・併設した形だ。6月には共同出店で「ラフィネ/無重力マッサージ アトレ川崎店」を開業した。無重力マッサージは従来よりも明るい内装デザインを採用し、カジュアルでポップな仕様となっている。現在、共同出店は24店あるが、ラフィネ単独店では少し広い場所に共同出店を行うケースが多い。直近の共同出店は9月14日に「セレオ国分寺店」を開業したほか、28日には「イオンモール八幡東店」がオープンする予定となっている。

―― ほかの設置ロケーションは。
 大野 駅や空港などの引き合いも多い。駅はJR東日本やJR東海の新幹線待合室に設置実績があるが、相談は増えており、実際に検討が進行中の案件もある。1回12分の時間も使い勝手がよく、駅や空港のちょっとした空き時間や隙間時間に利用してもらえる。
 新たな設置ロケーションでは、企画段階だがガソリンスタンド事業者への導入の話があるほか、「PASAR幕張」「NEOPASA岡崎」に設置実績がある高速道路のSA・PAなどにも展開を進めていければと考えている。また、長距離ドライバーの労働環境が24年から大きく変わり、今後「トラックステーション」のようなドライバーの休憩場所が増えてくると思う。マッサージチェアを導入すれば、休憩中に使ってもらえるのではないか。

―― 事業展開で意識していることは。
 大野 設置したら終わりではなく、メンテナンスには強い意識を持ち、中でも衛生面は管理を強化している。メンテナンスも当社が直接担い、設置台数が多いところは毎週、少ないところも月1回は設置先に伺う。また、売り上げはすべてパソコンによりオンタイムで管理し、稼働がない機械はすぐに故障がないか確認するなど、スピーディーに対応できる。オンタイムでの売り上げ管理は当社だけの強みだ。

―― 設置拠点数、売上高の目標は。
 大野 目先の目標として、まずは売上高20億円を目指している。23年3月期の売上高が14億~15億円で着地し、24年3月期は18億円前後を見込んでおり、このままいけば25年3月期には到達できる見通し。20億円を達成するには、1700~1800の設置拠点が必要だと想定している。
 設置先としては、当社が得意な商業施設への設置を中心に、駅や空港への設置、加えて共同出店なども積極展開していきたい。

聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2514号(2023年9月26日)(9面)
 ズームアップ!注目企業インタビュー


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