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第99回

シンフォニアテクノロジー(株) 電機システム本部副本部長 営業統括常務執行役員 川久伸氏


搬送機器で売上高150億円目指す
真空やGaNなど新規開拓に注力

2014/11/28

シンフォニアテクノロジー(株) 電機システム本部副本部長 営業統括常務執行役員 川久伸氏
 シンフォニアテクノロジー(株)(東京都港区芝大門1-1-30、Tel.03-5473-1803)は、半導体製造工程向けにロードポートをはじめとするクリーン搬送機器を提供している。近年は真空搬送機器のラインアップを強化し、さらなる事業拡大を目指している。同事業を担当する電機システム本部副部長 営業統括の川久伸常務執行役員に話を聞いた。

―― 製品ラインアップと特徴を。
 川久 世界トップシェアを持つロードポートを主力とし、ウエハー搬送ロボット、EFEM(Equipment Front End Module)をラインアップしている。また、真空対応機器として搬送ロボットとチャンバーがあり、真空プラットフォームとして製品化している。いずれも半導体製造装置メーカー向けにOEM製造しているもので、ロードポートは年5000~6000台を出荷している。EFEMは非常にカスタム性の高い製品で、国内大手装置メーカーから採用を獲得している。
 ロードポートは日米の大手装置メーカー5社でトップシェアを持つが、これを支えているのが独自のN2パージ機構だ。搬送容器内の環境を一定に保つことが可能で、顧客から高い評価を得ている。トップメーカーとしての役割を果たすために最先端デバイス向けのサポートを進めており、そこで培った高度な技術力も強みだ。

―― 真空プラットフォームに注力している。
 川久 約4年前から着手した新しい製品で、EFEMをベースに中・低真空対応の搬送システムとして製品化した。現在、月6~8台を出荷しているが、さらなる事業拡大を目指している。デバイスメーカーが高いハードルに挑戦していることから、新たな提案をするチャンスが生まれている。例えば、さらなるスループットの向上や、真空から真空への搬送などのニーズがあると考えている。開発人員を強化して、積極的に次世代装置をターゲットとした提案を行っている。また、大気圧から真空まで対応した機器をラインアップしていることを強みに、トータルソリューションでの拡販活動を進めている。

―― 450mmウエハー対応ロードポートを開発済みですね。
 川久 デバイスメーカーの量産に向けた準備として、11年に開発した。実際の量産化まではまだ時間を要するとみられているが、開発で培った技術を300mm以下向けの機器に応用展開している。450mmウエハーは10nm以下プロセスの採用が予定されているため、ロードポートも微細化に対応している。14年10月、この技術を盛り込んだ300mmウエハー用ロードポートの新製品を発売した。N2パージを標準装備して搬送容器内のウエハー品質保持性能を高めるとともに、振動を従来比で半減した。

―― GaNデバイスへの対応を目指している。
 川久 MOCVD装置メーカーと共同開発を進めており、評価機を納入している。GaNデバイスの製造に必須なMOCVDプロセスはシリコンデバイスと異なり自動化が進んでいないため、ウエハー交換機構を独自に開発している。15年度の製品化を見込んでいる。このほかN2パージや真空対応機器の新機種も開発を進めており、15年度の投入を目指している。

―― 生産・開発体制について。
 川久 豊橋製作所(愛知県豊橋市)内の専用工場をマザー拠点とし、海外ではタイで生産している。標準品のロードポートは全量をタイで生産していく計画で、14年10月に投入した新製品は現地部材を採用し、現地生産することを想定して開発した。一方、真空機器およびカスタム性の高いEFEMは豊橋製作所で製造する。真空機器の生産能力増強のため、クラス1000の専用クリーンブースを従来比で2倍に拡張した。
 また、豊橋製作所は当社の各事業向けにソフトウエアやプリント基板を内製しており、研究部傘下の商品開発部との連携も図ることができる。これらサポート体制が充実していることから、今後も研究開発は豊橋製作所で行っていく。

―― 足元の業績動向と今後の目標について。
 川久 14年度は当初スローダウンしたものの、9月から韓国向けの需要が増加し、盛り返してきた。下期は、韓国に加えて台湾向けの需要が拡大し、好調を見込んでいる。通期の売り上げは前年比微増の80億円強を計画している。
 中期的な目標として、17年度に150億円の売り上げを目指す。トータルソリューションを武器にクリーン搬送機器をさらに拡大させるほか、環境コントロール技術を応用した医療分野への進出を視野に入れている。必要に応じたM&Aも積極的に検討していきたい。
 また、海外での事業展開も強化している。14年7月に米シリコンバレーのサンタクララに営業サポートを担当する現地法人を設立した。現地顧客へのサポートを充実させており、今後拡張を進めていく。将来はクリーン搬送機器以外の事業もサポートする拠点とする。


(聞き手・本紙編集部)
(本紙2014年11月26日号8面 掲載)

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