電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第65回

宇宙航空研究開発機構(JAXA) 研究開発本部 電子部品・デバイス・材料グループ主任開発員 新藤浩之氏


RHBDやPKG技術で放射線対策
「アイデア持つ方と共同開発したい」

2014/1/31

宇宙航空研究開発機構(JAXA) 研究開発本部 電子部品・デバイス・材料グループ主任開発員 新藤浩之氏
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)におけるデバイス開発の現状をレポートする連載の第2回。前回に続き、研究開発本部 電子部品・デバイス・材料グループで半導体の開発を手がける主任開発員の新藤浩之氏に話を伺った。

―― 宇宙で使用する半導体チップは特別な製造ラインで作るのですか。
 新藤 2000年前後までは製造プロセスでチューニングするため専用ラインで作るケースが多かったが、昨今の半導体産業を鑑みれば、それは現実的ではない。そのため、一般的な製造ラインで製造できるように、近年は回路設計などで放射線対策を施す傾向に変わってきている。

―― 耐放射線に優れた回路とは。
 新藤 簡単に言えば、データが反転しにくい構造を組み込むことだ。こうした設計技術をRadiation Hardening By Design(RHBD)と呼ぶ。代表的なものとして、3つの素子の多数決で正しいデータを保持する重畳回路や、シングルイベント誤動作に対して強いメモリー回路DICE(Dual Interlocked storage Cell)などがある。前述のSOIチップにもRHBD技術が導入されている。

―― 外部企業との共同開発などは。
 新藤 JAXAで仕様を検討し、回路設計はHIREC(株)(茨城県つくば市)と共同で手がけるケースが多い。特許も共同で出願している。設計の後半はデザインハウスの力をお借りすることもある。

(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2014年1月29日号8面)

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