高速機チップマウンターの雄、富士機械製造(株)は世界シェアが3割を超え、国内外のセットメーカーや大手EMS(電子機器の受託製造サービス)企業から大量の実装機を受注する。特に、スマートフォン(スマホ)やタブレット端末向けの極小電子部品や0.35mmピッチの超ファインパッケージを高速かつ高精度にプリント配線板へSMT実装するのに、同社の高速マウンターは欠かせない。グローバル競争がますます加速するなか、マウンター事業を統括する取締役常務執行役員の須原信介氏に新製品の特徴や強さの秘密を聞いた。
―― 主力「NXTシリーズ」の最新鋭機種を開発・市場投入されました。
須原 NXTIIシリーズから5年、NXTIから数えて10年ぶりに新製品を商品化した。見た目は従来機と変わらないが、中身は全然別物だ。部品実装タクトは、前機種の2万6500チップ・パー・アワー(CPH)から3万5000CPHへ35%向上させた。
ちょっとやそっとの改良だけでは顧客への訴求力がない。商品としての魅力を高めるために、大幅な性能の向上や画期的なアイデア力が勝負になっている。
―― 13年度通期業績は前年度比12%増と復活を狙っています。下期の展望をお聞かせ下さい。
須原 ここまでのところはほぼ事前予想と大差なく来ている状況だ。例年、前半は旺盛な受注があり、10月以降落ち着いていくというパターンが今年も続くとみている。期初計画どおりで推移するとみている。
―― グローバル競争を勝ち抜く秘訣は何ですか。
須原 顧客の最終ニーズを正確に早く汲み取ることが重要になる。当社では研究開発から製品化の開発スピードを向上させるために既存の組織を見直した。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年11月6日号5面)