ギリシャ首相の訪日を記念した日本・ギリシャビジネスフォーラムが、日本貿易振興機構(ジェトロ)およびEnterprise Greece(ギリシャ投資・促進センター)の主催により1月31日に東京都のジェトロ本部で開催された。開会の挨拶でギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は「今回、2カ国のビジネス関係強化を目的に来日した。日本企業にも投資を検討していただきたい」と語った。
セミナーでは、経済産業省の太田房江副大臣が来賓として挨拶した。
基調講演ではギリシャ首相府官房経済室長のディモステニス・アクレシオス・パテリス氏が過去10年間の経済危機を乗り越えて大きな経済成長を遂げているギリシャの経済状況や投資環境などを説明した。法律の整備や年金制度の改革、デジタル化や気候変動への対応、再生可能エネルギーへの移行などを進めており、また労働者への減税などの実施で不良債権の整理などが進んでおり、これにより得られた資金を持続可能経済や海外からのイメージ改善に向けた投資に充当していく方針。10年債の発行などで必要な資金は確保できているとしており、23年には投資適格債の対象となる見込み。ギリシャは投資国となっていると語り、日本企業の投資を呼びかけた。
セッションでは、「テクノロジーとデジタルトランスフォーメーション」のテーマで、ギリシャのデジタルガバナンス大臣のキリアコス・ピエラカキス氏、デジタル庁審議官/国民向けサービスグループ次長の犬童周作氏、アテネ商工会議所会頭のソフィア・クネナキ-エフライモグル氏が講演。「再生可能エネルギーとグリーンエネルギー」のテーマでギリシャ環境エネルギー省事務総局長(エネルギー&鉱物資源担当)のアレクサンドラ・スドゥク氏、経済産業省主席国際カーボンニュートラル政策統括調査官の南亮氏、ギリシャ企業連盟会長のディミトリア・パパレクソプロス氏が講演。それぞれの国の取り組み状況や将来の構想などについて説明した。
また、キリアコス首相と太田副大臣立ち会いのもと、ジェトロとギリシャ投資・促進センターによるMOC署名式も実施された。