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川西市総合医療センター開院、405床全室個室、最新の医療環境提供(2)


救急・外来に患者とスタッフの導線確保、フリーアドレス制診療室や不妊治療に配慮した相談室

2022/10/4

 川西市(兵庫川西市中央町12-1、Tel.072-740-1111)は、協立病院との統合による新病院「川西市立総合医療センター」(川西市火打1)を9月1日に開院した。建物は、9階建て延べ約3万6500m²で、周辺の自然を最大限に活かしたガーデンホスピタルをコンセプトに、トリプルクロス式の病棟を導入するなど、患者やスタッフにとって心地よい院内環境を整えている。
 1階は、南側に正面玄関を設け、広々としたロビーと総合受付を設置。また、医事、患者支援センター、外来、放射線部門、救急部門を配置している。救急部門は、道路とアクセスしやすい北側に集約しており、時間外入口や感染・発熱入口といった徒歩での導線、救急車や今回新たに導入したドクターカーなど車両搬送との導線もきっちり分けられている。初療室3、処置ベッド4、個室などを設け、二次救急に対応し、三次救急や専門的な治療が必要な場合は、連携病院に搬送する。救急部門では、1~2階の外来とを結ぶエレベーターのほか、3階の手術室やHCUなどのフロアに直結する垂直搬送用のエレベーターを設置し、スピーディで効率の良い救急導線を確保している。

最新のCT装置
最新のCT装置
フリーアドレス用の診察室
フリーアドレス用の診察室










 救急部門に隣接する放射線部門では、画像診断ができる最新機器を集約しており、GEヘルスケア・ジャパンの最新64列型CTなどを設置したほか、将来に備えたアンギオや一般撮影装置の拡張スペースも確保。時間外の患者も放射線部門と救急部門の中央に設置した待合(普段は救急待合)で待機できるよう工夫している。
 外来部門は、1階の放射線科(画像診断)に加え、2階に専門外来(小児科、眼科、泌尿器科、産婦人科)とフリーアドレスを導入した外来診察室を設けている。各診療室の間(裏側)は、スタッフ専用の導線とし、患者とスタッフが交わらないよう導線を明確に分けた。診察室や処置室はフリーアドレス制のタイプを39室導入し、空いている診察室を医師や看護師が診察だけでなく、簡単な処置や説明などにも瞬時に使用できるようになっており、患者の待ち時間の短縮を図る。加えて、診療室の案内はすべてデジタルで表示されるため、フレキシブルで分かりやすい。
 さらに、産婦人科と泌尿器科の外来の間には相談室を配置し、男性女性の双方が不妊治療の相談窓口として利用できるようになっている。市立病院で不妊治療を行うことで、高い費用をかけずとも不妊に悩む患者をサポートできる。
 2階には、内視鏡部門、薬剤部門、検査部門があり、内視鏡部門では、開閉式で広々と使用できる検査室5つとTV透視室、リカバリー12チェアを配置。薬剤部門では、注射薬自動払出システムなど最新の薬剤ロボットを多数導入しており、効率化とスタッフの省人化に努める。薬剤部門とスムーズな導線を確保した化学療法室は、チェア5台、ベッド4台、個室1台の計10ベッドを設置し、内視鏡部門や薬剤部門と連携体制を整えている。

リカバリーチェア
リカバリーチェア
リカバリーチェア
2階のリハビリテーション









 リハビリテーションは、各病棟にリハビリ機能を設置する病棟リハビリを基本に考えているため、2階のリハビリには理学療法、作業療法、言語療法の必要最低限のリハビリ器具を整備した。隣接してガーデンテラスも配置しており、外での歩行ども行える。
 次回は、手術部門や病棟などをレポートする。

(今村香里記者)

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