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川西市総合医療センター開院、405床全室個室、最新の医療環境提供(1)


協和会協立病院と統合し地域完結型の病院へ、ドクターカー導入、小児・周産期など強化

2022/9/20

トリプルクロス型の病棟を導入した新病院
トリプルクロス型の病棟を導入した新病院
 川西市(兵庫川西市中央町12-1、Tel.072-740-1111)は、新病院「川西市立総合医療センター」(川西市火打1)を9月1日に開院した。市立川西病院の移転新築に伴い、市立川西病院の指定管理者である(医)協和会の協立病院が統合したもので、新病院は、川西市の基幹病院として、高度急性期・急性期医療や災害医療を担う405床の総合病院となり、引き続き(医)協和会が指定管理者として運営する。中でも、救急医療、小児・周産期医療、がん医療を強化。不妊治療にも配慮したフロア設計、トリプルクロス式の全室個室病棟、フリーアドレスの導入など、患者や働く人に配慮した最新の医療環境を提供している。

竣工記念式典のテープカット
竣工記念式典のテープカット
 8月21日、開院に先立ち、新病院の竣工記念式典と関係者内覧会を行った。新型コロナ感染対策に配慮し、地域住民向けの見学会は中止とし、式典などはごく少人数で開催した。越田謙治郎川西市長は、「新病院は、市立病院として政策医療を引き継ぎ、一方で、ドクターカーを導入するなど救急医療を強化した。医療の圏域完結率を高める」と新病院に対する意気込みを述べた。また、今回は近隣に本社を置くダイハツ工業(株)から車両寄贈があり、ダイハツ工業 コーポレート統括本部 統括部長 豊田賢氏が代表し寄贈式に参加した。新病院は、設計・施工一括のDB方式を採用しており、担当した清水建設(株)に感謝状が贈られ、指定管理者である(医)協和会 理事長川北透氏が閉式の挨拶を述べて式典を終了した。

 新病院の整備場所は、川西市中央北地区のキセラ川西整備事業区域内で、公園に隣接する西側の敷地約1万1000m²。最寄り駅の阪急宝塚線・川口能勢口駅からは徒歩圏内となる。建物は、RCST・一部S造り9階建て延べ約3万6500m²で、免震構造を採用。病床405床(急性期一般385、HCU20)、診療28科(内、総合、循内、腎内、消内、呼内、糖病・内分、血内、外、呼外、乳、眼、耳咽、整、リハ、皮、形成、神内、精、脳外、麻、産婦、小、泌、緩和、放、病理、救急)の体制。外来患者数は1日あたり約900人、入院患者数は同約370人、病床稼働率は93%を見込んでおり、DBの発注者支援業務は(株)プラスPMが担当した。

 建物施設は、川西市の自然を最大限に活かした安心と信頼のガーデンホスピタルを目指し、患者、スタッフ、まちを健康にする病院をコンセプトに掲げて設計した。

 フロア構成は、1階に総合受付、外来、画像診断、放射線部門、救急部門、アメニティ関係、2階に外来、リハビリ、化学療法、薬剤、中央処置、感染外来など、3階に手術・UCU部門、医局・管理部門、中央材料など、4~8階に病棟、9階に機械、厨房を配置している。狭い敷地ながらも患者空間を広々と確保しており、一方で快適なスタッフ環境づくりにも力を入れ、スタッフのコミュニケーションや多職種が連携できる導線づくりを行っている。

 次回は、各機能の詳細をレポートする。

(今村香里記者)

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