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商工中金、中小企業設備投資動向調査を公表、21年度設備投資実施企業は41.5%


2021/10/26

 (株)商工組合中央金庫は、中小企業設備投資動向調査(2021年7月調査)をまとめた。これによると20年度実績では、実施(設備投資「有」)企業割合は全体の52.2%とおおむね前年同時期調査と同水準。21年度修正計画では、設備投資「有」が全体の41.5%と前年同時期調査から増加した。また、21年度修正計画では設備投資を未定と回答した比率が26.0%と修正計画時点では、過去20年を遡っても最も高い数値となった。

 製造業の20年度実績は、設備投資「有」企業が60.3%と、前年度実績を下回った。21年度修正計画は「有」が48.0%で、前年度修正計画46.7%から1.3%ポイント増加した。

 非製造業の20年度実績は設備投資「有」企業が48.2%と、前年度実績を上回った。21年度修正計画は「有」が38.2%で、前年度修正計画35.9%から2.3%ポイント増加した。

 新型コロナウイルスの影響を受けて設備投資を実施した企業は20年度で5.3%、21年度で6.8%。新型コロナウイルスの影響により、マイナスの影響があった企業(計画の一部を見送り、または設備投資自体を見送った企業の合計)は20年度で17.0%、21年度は13.6%となった。

 20年度、21年度ともに設備投資目的の上位2項目は、「設備の代替」、「維持・補修」。21年度に比率が増加した上位3項目は、「新規事業への進出」、「増産・販売力増強(国内)」、「合理化・省力化」。20年度、21年度ともに比率が増加しているのは、「情報化関連」、「倉庫等物流関係」、「新規事業への進出」、「地球環境問題への対応」となった。

 20年度は設備投資判断における新型コロナウイルスの影響の有無に関わらず「設備の代替」が最も多い。21年度にコロナの影響を受けて投資を実施する企業群の投資目的では「増産・販売力増強(国内)」が最も多く、その他の項目では20年度から21年度にかけて「新規事業への進出」の回答割合が大幅に増加した。

 設備投資額の増減率は、全産業では20年度実績で19年度実績対比マイナス1.5%となった。実績が前年比マイナスとなるのは2年連続。21年度修正計画は20年度実績対比マイナス14.2%で、前年同時期のマイナス27.0%を大きく上回った。

 製造業の設備投資額の増減率は20年度実績で前年度実績対比プラス0.7%と、小幅ながらプラスに回復。21年度修正計画は2020年度実績対比マイナス14.4%と前年同時期のマイナス15.4%を幾分上回った。

 非製造業の設備投資額の増減率は20年度実績で前年度実績対比マイナス3.0%と、実績時点では14年以来のマイナス。21年度修正計画は20年度実績対比マイナス14.1%と前年同時期のマイナス34.5%を大きく上回った。

 20年度の設備投資を実施しない理由の上位は、19年と同様、「現状で設備は適正水準」が57.0%、「景気の先行き不透明」が34.0%。19年度からの変化幅としては、「現状で設備は適正水準」が4.5%減少する一方、「景気の先行き不透明」がプラス6.9%と大幅増加した。

 21年修正計画でも最も多いのは「現状で設備は適正水準」(62.1%)、次いで「景気の先行き不透明」が30.5%となっているが、20年度の34.0%からは大幅に減少している。

 設備投資「無」の理由について新型コロナウイルスの影響有無別に見ると、コロナの影響を受けて設備投資を見送りと回答した企業群では20年、21年ともに「景気の先行き不透明」や、「企業収益の悪化」の回答比率が高い。

 1社あたりの設備資金調達構成比を単純平均した結果をみると、20年度、21年度修正計画ともに「金融機関借入」の比率が大きく低下し、「手元資金」の割合が増加した。リース調達を除いた試算でも金融機関借入の割合は例年に比べて低く、手元資金の割合が高い。


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