コロナウイルス禍の中では、キーパーソンと言われる方々は、なるべく人に接触しないように、とのおふれが出されていると聞く。しかして、キーパーソンでも何でもない自分は、この3カ月間にわたり、日本列島を縦断し、おおよそ70人の人たち(それこそキーパーソン)に取材した。
それは基本的には新聞記事の取材ではない。なんと、カメラを回して動画番組を撮りまくっていたのだ。様々なところで、様々な人たちに会えば、情も移り、かつ新鮮な情報を手に入れることもできる。テレワークと言われる時代であるが、やはりライブで会うのが一番である。
さて、電子デバイス産業新聞を発刊する産業タイムズ社は、業界初ともなるウェブ上の動画配信番組『セミコンニューウェーブ2021』の制作を進めていたが、21年4月19日~5月18日まで無料公開中である。
産業タイムズ社ホームページ上の電子デバイス産業新聞のトップ記事に貼り付けるかたちとなるため、いつでも、どこでも、誰でも無料で視聴することができる。
これは、コロナ禍にあっても成長を続ける半導体産業の「今」をとらえる22本のインタビュー番組を配信したものである。
22本の番組は、まさにバラエティーに富むものである。泉谷渉のロング講演を筆頭にして、半導体の3大アナリストの直撃インタビューを盛り込んだ。さらには、熊本県バージョンにおいてはソニー、ルネサス、三菱電機、東京エレクトロンなど半導体業界で活躍する企業の皆様のキーパーソンインタビューも敢行したのである。
画期的なメモリーと言われるMRAM開発で知られる東北大学の活動、世界初のAIエッジインテリジェントモジュールの開発に成功した福岡大学の活動なども詳細レポートしている。また、注目企業各社のレポートも面白いものに仕上がったと思う。ラストには、日本電子デバイス産業協会の会長インタビューが収録してある。
半導体産業でご活躍の皆様方にとっては、もっとも新しい情報を動画として観ることができる貴重な機会だと考えている。ぜひともご高覧いただきたい。
ああああ。それにしても、70人に及ぶ取材をし、かつ編集もやり、これを1人で仕上げるのはさすがの泉谷クンにとっても大変なことではあった。しかして、いわばおそろしき動画マガジンの世界に足を踏み入れてしまったわけであるから、もうどうにも止まらないのかもしれない。
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泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 社長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』、(以上、東洋経済新報社)、『これが半導体の全貌だ』(かんき出版)、『心から感動する会社』(亜紀書房)、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。