―― 2012年度の総括および13年度の見通しを。
柵山 12年度は下期からの受注回復に期待していたが、回復が遅く、在庫の消化に手間取った。国内のパワーデバイスでは民生用、産業用、電鉄用の不振を自動車用がカバーする格好となった。
13年度は、再生可能エネルギーの固定買取制度によって建設が活発なメガソーラー向けなどのパワーデバイスの拡販に期待したい。
―― SiCパワーデバイスの開発計画について。
柵山 SiCはシリコン(Si)と比べてまだ材料が圧倒的に高く、当面はシステム効果を発揮できる用途から置き換えが進むと考えている。鉄道車両用インバーター装置にSiCを適用した東京メトロの例では、回生エネルギー方式の変更を含め回生率を51%向上し、主回路システムの消費電力を既存システム比で38.6%低減したことが実証された。
―― 高周波・光デバイスの開発計画について。
柵山 13年度は、スマートフォンのさらなる普及によってデータ通信量が増大し、投資が活発化することが予想されるため、基幹ネットワーク向けに10Gbpsや100(25×4)Gbpsなどが伸長するだろう。それらに対応したEMLモジュールの開発に注力していく。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年7月10日号1面)