商業施設新聞
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No.411

アイスの祭典「全日本アイスクリームコレクション」


笹倉 聖一

2013/6/4

ジェラートイリュージョンの実演
ジェラートイリュージョンの実演
 5月9日のアイスクリームの日に合わせ、「全日本アイスクリームコレクション」という催しが同月1~12日に開かれた。場所は埼玉県越谷市のイオンレイクタウン。能登ジェラートで知られる石川県能登町からは、ジェラートイリュージョンのパフォーマンスでも有名な行列店「マルガージェラート」、トルコからは伸びるアイス“ドンドルマ”を販売する「オリエンタルの青い月」(名古屋市)が出店した。

 ジェラートとはイタリア語で、シャーベットやアイスミルクのことを指す。石川県の食材を使ったマルガージェラートの商品には、能登フレッシュミルク、能登の塩、金沢抹茶、能登のブルーベリー、ヨーグルトダークチェリー、フランポワーズヨーグルト、ストロベリーミルク、トロピカルフルーツなどの味がある。

 ジェラートイリュージョンは、マイナス196度の液体窒素を使って液体や果実を一瞬でアイスデザートにする見せ物。会場では、ジェラートマエストロと呼ばれる職人が、派手な音響の洋楽を背景に演じていた。シューッという音とともに、白い煙に見える液体窒素を食材に浴びせ、氷菓子として盛り付ける。その時に見た、日本を代表するというジェラートマエストロの一生懸命な演技は、立ち込める液体窒素に包まれて姿が見えなくなるほどで、思わず笑みがこぼれてしまった。

 作られたイリュージョンアイスは、数は少ないながらその場で450円で販売された。通常価格では1000円する。運良く食べることができた来場客に感想を尋ねたところ、「クリーム状の抹茶とブルーベリーが甘過ぎない良い味でシャーベットの上に乗っており、とろりとしているが、クリームの味はあまりしない」と、なんとも不思議な食感を言い表してくれた。

トルコの伸びるアイスクリーム
トルコの伸びるアイスクリーム
 一方、トルコの伸びるアイス“ドンドルマ”は、モチモチだが、口の中でとろけ出す食感。ドンドルマはトルコ語で「凍らせたもの」を意味し、トルコではアイスクリーム=ドンドルマなのだという。トルコに200人、日本に3人しかいないというドンドルマ・アイスクリーム職人が提供するアイスクリームは、甘さが控えめで、伸びる外観でも人目を引く。味はマンゴー、ミルク、チョコレートから選ぶことができ、混載もできる。能登のアイスもそうだが、健康志向が世界で強まっているためか、甘みを抑えた味が印象的である。

 このほかに、パリパリクレープの「サンタチューボー」(北海道江別市)、沖縄アイスや特大パフェの「ブルーシール」(沖縄県浦添市)、究極のデザート「カタラーナ」の「スイートファクトリー コモディーノ」(名古屋市)、秋田県男鹿市の「ババヘラアイス」、観光地各地のアイスクリームの「レックス・ベリー」(東京都台東区)が登場した。

 今回は、自分の腹の具合を気遣って2店のアイスしか食べられなかったのが心残りだった。アイスクリームの日は、1869(明治2)年に、横浜で日本初のアイスクリームとして町田房蔵が“あいすくりん”を製造販売したことを記念して制定されたという。今年も、はや立夏を過ぎ、アイスクリームの季節到来である。
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