京都大学医学部附属病院(京都市左京区聖護院川原町54、Tel.075-751-3111)は、臨床研究の体制強化を目的に、治験管理センター、EBM研究センター、探索医療センターの3センターを統合し、さらに医療開発管理部も加えた「臨床研究総合センター」を4月1日に開所した。運営費は年間10億円を見込んでいる。
臨床研究総合センターは旧探索医療センターに機能を集約して設立された。「技術移転・国際連携部」「開発企画部」「データサイエンス部」「EBM推進部」「早期臨床試験部」「治験管理部」の6つの部門で構成され、センター長には同病院の副病院長でもある上本伸二氏が就任。教員(20人)をはじめ、薬剤師や事務員など約70人をスタッフとして動員する。運営費は年間10億円。
同センターでは、臨床研究のシーズ発掘やデータマネジメントを実施するほか、プロトコルの作成支援なども行う。また、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)が進めている、血小板やパーキンソン病のプロジェクトも支援する。なお、同センターの対応能力として、「臨床研究は年間15件程度」(副センター長の清水 章氏)としている。
現在、同病院では臨床研究総合センターの体制強化を図るため、旧探索医療センターの改修工事を実施中。当面は専用施設の整備を計画していないが、「将来は当病院の敷地内に、第I相試験(フェーズ1)など早期の臨床試験に特化した病床を持つ、早期臨床試験棟を建設したい」(清水氏)と意気込んでいる。