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第4回

三浦工業、松山市の本社工場敷地内に船用ボイラー一貫製造工場を完成、2期工事も計画


2013/4/30

稼働した新工場の外観
稼働した新工場の外観
 貫流ボイラーで国内トップシェアを持つ三浦工業(株)(愛媛県松山市堀江町7、Tel.089-979-7000)は、本社工場敷地内で船用ボイラーの一貫製造工場を完成させ、報道陣に公開した。穀物や鉱石などをバラ積みするバルクキャリアーや、ケミカルタンカー向けのボイラーを製造する。生産能力を従来比で1.5~1.6倍の年間450台に拡大し、生産効率を高めてコンポジットボイラーで納期を約1カ月短縮可能となった。2014年8月の完成予定で2期工事も計画しており、合計で約25億円を投資する。
 新工場は平屋建てで、敷地面積6945m²、建築面積約6800m²。陸送できる限界サイズのボイラー製造を想定し、天井高は18mを確保して11mのクレーンを備えている。同社のボイラー製造は一般的なパーツを造船所に持ち込んで組み立てる方式と異なり、自社工場内で一貫生産して試運転までを行う世界でも珍しい体制で、新工場でもそれを踏襲している。11年8月から既存の建物を壊して建設していたもので、13年2月に生産を開始した。製造するボイラーは船のディーゼルエンジン用のC重油やケミカル荷の加熱、船内の暖房などに用いられる。
 工場は全5レーンに分かれており、各レーン間はクレーンとレールを使って搬送する。ボイラーは上下のドラムを多数の水管がつなぐ構造になっているが、第1レーンではまずこのドラムを作る。原材料の鉄板をプラズマ装置で切断し、ロール機で丸めて溶接して缶体にする。この溶接部分をX線検査した後、続く第2レーンでは蓋部分を溶接し、ドラムを完成させる。そして焼準炉を用いてドラムにかかっている応力を除去する。第3レーンでは水管用の穴あけなどの加工を施し、第4レーンで上下ボイラーを接続、水圧検査を行う。最後の第5レーンで周辺パーツを取り付け、その場で試運転を行って完成となる。組み立て工程では専用の昇降機を利用し、ボイラーへのパーツ取り付けの利便性、安全性を高めている。
 2期工事は今回の新工場に隣接する既存工場を取り壊して行う。一部残っているパーツ生産機能などの移管完了後、13年8月の着工を予定している。2期工場は建築面積約3800m²を計画しており、7t級の大容量ボイラーやコジェネレーション用排ガスボイラーを製造する。
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