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東京都江戸川区で森山リハビリテーション病院を移転、急性期医療強化も


高井豊氏「地域包括ケア提供へ、特養ホーム古川親水苑のスタッフ募集中」

2013/4/23

 (医)社団 森山医会(森山 貴理事長)では、高度救急医療の森山記念病院(東京都江戸川区西葛西7-12-7)、回復期・療養期医療の森山リハビリテーション病院(同区西葛西6-15-24)、老人保健施設の森山ケアセンター(同区江戸川5-4-23、Tel.03-3689-1211)を運営する。現在、森山リハビリテーション病院を移転拡張する計画と、関連法人の(福)東京優貴会が特養ホーム「古川親水苑」および軽費老人ホーム「優貴苑」の建設を進めている。

■24時間・365日の脳外科手術に対応
 森山医会は、「患者中心の医療」「より安全・良質・科学的な医療」「効率的・適切な医療」「24時間対応の救急医療」「発症から社会復帰まで一貫したリハビリ医療」を目標に掲げる。森山記念病院は、病床157床と小規模ながら、葛西地区とその周辺エリアはもとより、江東区、葛飾区、千葉県市川市、浦安市などにおける救急医療を担い、外科系(脳外科、外科、整形外科)、内科系(消化器科、循環器科)の診療に対応。同病院は月間350台の救急車を受け入れ、年間の延べ搬送件数は3800件で推移している。特に、脳卒中治療は24時間・365日体制で脳外科手術が可能で、脳梗塞の超急性期血栓溶解療法(tPA静注)も積極的に行っている。
 さらに、森山記念病院附属福島孝徳脳神経センターでは、森山理事長と親交が深く「『神の手(god hand)』を持つ」と称される福島孝徳氏による、高度な脳外科手術の執刀が受けられる。
 森山記念病院では、脳外科手術の後に、早期リハビリを実施しており、また、透析38床を稼働している。
 森山リハビリテーション病院は、回復期リハビリテーション病棟96床を中心に、一般と療養病棟などで計176床を運営、豊富な経験と知識で患者の早期の在宅復帰を支援している。透析は48床。

■森山リハ病院移転で高度急性期にも対応目標
高井 豊氏
高井 豊氏
 森山リハビリテーション病院は、耐震化対策とアメニティ向上を目指し、移転計画を進めている。森山医会の理事で東京優貴会常務理事の高井豊氏は、移転事業について、「耐震化とリニューアルを図り、新病院を建設し全面移転するものだが、開設後30年が経過した現在の病院の単なる移転事業にとどまらず、移転と森山記念病院との機能連携・機能再編を図りながら、高齢化の進展で地域において需要が高まっている急性期、高度医療に対応できる新病院を想定している」と話す。現病床の176床に対し、223床の許可を得ているが、高井氏は「地域ニーズを満たすためには、276床の病床数が理想であり、可能であれば許可を得たい」としている。2012年4月の診療報酬、介護報酬のダブル改訂により早期在宅復帰が促進されたが、2つの病院で、それぞれ脳外科手術と術後早期のリハビリの実施、同じく病室でのリハビリによる早期復帰体制を整える考えである。「脳血管疾患のほか、外科/整形外科、がん治療に対応、HCUも備える。急性期、高度医療を強化するとともに、リハビリや透析のスペースも拡張する」(高井氏)。
 新病院は、江戸川区北葛西4-3-1ほかで、3月から準備工事に着手した。5月から本体の建設工事を開始し、15年6月に竣工、同年9月の開設目標である。規模は、RC造り地下1階地上7階建て延べ1万2554m²(敷地4209m²)となる。設計は山下設計、施工は大成建設の担当。新病院は「災害拠点病院に準拠すべく、地下免震構造を採用し、資機材の備蓄、3日間の自家発電設備を備え、水を確保する」(高井氏)と、災害時への対応にも万全を期す。

■地域包括ケア強化へ古川親水苑を9月開設
建設中の古川親水苑
建設中の古川親水苑
 森山医会では、3年前に老人保健施設の森山ケアセンターを開設、150床(うち短期入所10床)の入所定員と1日40人までのデイケア施設、居宅介護支援事業所を併設し、救急医療から在宅支援までのトータルサポート体制を整えつつある。しかし、地域で圧倒的に不足する特養ホームや高齢者住宅が、地域包括ケア体制の整備に必要と判断し、(福)東京優貴会を設立した。森山ケアセンター隣接地の江戸川区江戸川5-4-2で、特別養護老人ホーム古川親水苑(Tel.03-5667-1211)と都市型軽費老人ホーム優貴苑、デイサービス施設(40人)の建設を進めている。建物はRC造り地下1階地上6階建て延べ6655m²の規模となり、古川親水苑は全個室のユニット型で、定員は長期入所120人、短期入所12人。優貴苑の入居定員は10人。設計はメドックス一級建築士事務所、施工はスターツCAMの担当。

■多職種のオープンニングスタッフを募集中
 高井氏は、「9月の開設に向け、4月1日に入所募集をかけたところ、1日で70人の申し込みを受けた。緑と水に囲まれた豊かな環境にある新しい施設のオープンニングスタッフを募集している。私達は、経験・能力に応じた待遇、未経験者やブランクがあっても安心して働ける教育、支援プログラムを用意し、また、託児所も完備している。募集は多職種にわたり、温かい仲間たちと充実した日々を送りながら『人生の質の向上』を目指しませんか」と呼びかけている(詳細は古川親水苑のホームページまで)。現在の特別養護老人ホームの入所者は平均要介護度が4程度ということもあり、入所者やデイサービス利用者の快適性と介護スタッフの負担軽減のため、森山ケアセンターには高額な浴室用の特殊入浴装置を3台設置、古川親水苑では5台を設置するという。
 高井氏は「職種が少ない地方と比べ、都心部は様々な職種の選択肢があることもあり、特にヘルパーが圧倒的に不足している。人と人の触れ合いである介護事業は人が大事である。今後、都心部で急速に高齢化が進展するなか、老老介護など在宅における家族の負担や介護スタッフの不足など、現在、起こっていることを身近な切実な問題として皆が認識し、事業者、NPO、行政、住民とともにより良い体制構築を目指すべきであり、私達の医療、福祉の取り組みがそのモデルの1つになれるよう努力する」と抱負を語っている。
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