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大阪暁明館病院、新病院竣工で小・産婦充実、外来2倍の500人目標


坂 宗久病院長「旧病院建物に分散するデイ施設や居宅介護施設を集約」

2013/4/16

4月1日に開院する新病院
4月1日に開院する新病院
 (福)大阪暁明館 大阪暁明館病院(大阪市此花区春日出中1-22-12、Tel.06-6462-0261)と(医)伯鳳会では、大阪市立北市民病院の跡地で建設していた新病院が竣工、竣工式や内覧会を開催した。竣工式には、古城理事長や坂病院長のほか、設計・施工を担当した(株)フジタの関係者、ステンドグラスを制作した作家の林 知子氏などが出席し、新病院の完成を祝った。
 新病院の所在地は大阪市此花区西九条5-4-8で、RC造り11階建て延べ2万2654m²(敷地面積5953m²、建築面積2690m²)の規模で建設した。解体工事は川田工業(株)、設計・施工はフジタの担当で、13年1月末に竣工、4月1日に開院する。
 今回の新築移転により、病床数を332床から482床へと増床し、産婦人科を新設したほか、小児科や耳鼻咽喉科も再開する。また、回復期リハビリ病棟や医療療養病棟も充実させ、外科系や内科系、救急外来の強化も図っている。なお、総事業費は医療機器も含めて約60億円。
 新病院は「へ」の字型の建物で、東と西に分かれている。1階は東側の玄関近くに受付と待合ホール、インマヌエルホールを設け、後方に医事課と薬局を配置。エレベーターホールを挟んで、西側には救急外来と救急部門を設置している。2階は、東側に待合ホールと、外来診療の診察室および生理機能検査室を設置。待合ホールの壁には、特殊なガラスとハロゲン電球を使い、白川画伯の絵を飾っている。また、待合ホールのソファーは、椅子の端に椅子を用意しており、緊急時には医療台として使用することも可能だ。西側には再開する小児科と耳鼻咽喉科の外来が設置されており、放射線科や内視鏡室も設けられている。
 3階は東側にリハビリ室、中央検査室、血管造影(アンギオ)室を、西側には腎・泌尿器科センター、睡眠呼吸療法センター、外来化学療法室、薬剤科を配置。FPDを搭載した最新鋭のアンギオ装置を1台、新規導入した。西側の薬剤科では、「DI室」という入院患者向けの薬局を設置。また、腎・泌尿器科センターでは感染部屋を備えたほか、個人用として透析コンソールも用意しており、ICUでも治療可能な体制を敷いている。4階は東側に中央手術室と中央材料室を、西側にはICU(4床)と一般急性期病棟を整備している。
新設された産婦人科病棟の病室
新設された産婦人科病棟の病室
 5階は東側に検診センターと、新設する産婦人科外来診療を配置しており、西側は産婦人科病棟(20床)となる。検診センターでは、胃の検査や胃の透視、それに嚥下の検査などを行う装置が導入され、別室には胸部X線装置も配備。産婦人科病棟はNICU室、新生児室、家族室、分娩室のほか、自然な形で出産するLDR室も設置。同病棟では赤ちゃんの連れ去りを防ぐため、スタッフステーションを窓で仕切るなど、対策を強化している。
 6階からは病棟となり、6~7階に一般急性期病棟を設置し、8階は東側が一般急性期病棟、西側は障害者療養病棟となる。そして、9階は回復期リハビリ病棟、10階は医療療養病棟となり、最上階の11階には、医局、臨床栄養科、管理部、職員食堂、礼拝堂などを設けている。また、新病院の隣接地には、看護師寮(42戸)も整備済みで、同寮の1階は移転する「あかつきキッズ保育園」。
 病床数は482床で、内訳は一般病棟が392床(急性期病棟:288床、回復期リハビリ病棟:84床、産婦人科病棟:20床)、療養病棟は90床。診療科目は19科目(内、分内、呼内、消内、循内、神内、外、整、脳外、形、小、産婦、泌、眼、耳、皮、放、リハ、麻)を標榜している。なお、新病院には大阪市から委託を受けている、介護老人保健施設も導入する予定だ。
 竣工式後のレセプションパーティーで、「愛と福祉と平等の精神をもって、此花区を含めた西大阪地区全体に医療を提供していく」と語った坂 宗久病院長。旧病院は1日の外来患者が250人であったが、新病院では倍の500人を目指している。新病院の開院後、旧病院は廃院となるが、土地や建物はそのまま残す方針で、将来は大阪市内に散らばっている、デイサービスセンターや居宅介護施設を集約することも視野に入れているという。
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