電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第419回

半導体産業をひたすら書き続けた泉谷渉は「日本専門新聞協会賞」を受賞


記念講演は3月10日にオンライン配信、100兆円市場の可能性を語る

2021/2/5

日出から見える別府湾はとにかく超美しい!
日出から見える別府湾はとにかく超美しい!
 大分県日出の街をひたすら歩いている。美しい別府湾が望める街はすばらしい。かつて木下家が治めていた城下町なのである。豊臣家は徳川家によってあえなくも滅ぼされてしまったが、秀吉の正妻であった北政所の兄である木下家定は、姫路城主として生き残った。そして、木下藩として日出でしっかりとお家を守り、なんと19代も続く家系となった。

 戦国乱世の中にあって、生き残るということは実に重要なことなのだ、と思えてならない。筆者もまた、心ならずして生き残ってしまった半導体記者である。三十数年間にわたってひたすらに半導体を書き続けた結果として、いまや世界最古参の半導体記者となってしまった。最近はとにかく「おバカな老人」になってしまったので、「思えば遠くへ来たもんだ」との思いが強い。

 一番最初に書いた原稿は、日本テキサス・インスツルメンツ(TI)の日出工場における16k DRAMの増強計画というものであった。しかして当時のデスクは、若き日の自分が力を込めて書いたこの記事を鼻先で笑い、「泉谷クン、こんな記事は誰も読まないよ」と言ってのけた。しかして無理はないだろう。半導体産業はいまや50兆円の巨大市場であるが、このTIの記事を書いた頃は、まだ1兆円にも満たなかった。それゆえに、デスクは自分の記事を軽視したのだ。

 TI日出工場には何回も出かけたことがある。講演をやらせていただいたこともある。残念ながら、施設のほとんどが撤退してしまったが、日出の街を歩けば、走馬灯のようにTIの思い出がよみがえってくる。世界最強の半導体メーカーであったTIは、今でもアナログ系で長じており、すばらしい企業なのである。

 それはともかく、何のとりえもない自分は、ひたすら半導体を書き続け、自分が発刊した半導体産業新聞(現電子デバイス産業新聞)は、ついに創刊30周年を迎えた。そしてまた、現在同紙に『日本半導体産業/激動の21年史=2000~2020年』を執筆中であるが、実にこれが29冊目の本になるのである。

 筆者を憐れんでか、もしくは褒めたたえてかはよく分からないが、先ごろ、「日本専門新聞協会賞」受賞が決まったとの通知を受けた。残念ながら、1月に予定されていた授賞式は新型コロナウイルスの急拡大により、開催が中止になってしまった。

 さて、この受賞を記念するともいうべき講演会は、3月10日(水)に開催される。ZOOMを使用してのオンライン配信であり、タイトルは「ウイリアム・ショックレー・メモリアル特別セミナー『半導体産業の無限の可能性を徹底追求する!!』」というものである。受講料は2万5000円+税1名、資料ダウンロードあり、となっており、申し込み締め切りは3月9日(火)である。お問い合わせは産業タイムズ社 事業開発部(TEL:03-5835-5894/FAX:03-5835-5495、Email:pd@sangyo-times.co.jp)まで。

 このイベントは、毎年の恒例行事として開催されている。ウイリアム・ショックレーのトランジスタ発見を記念するセミナーであり、今回は新型コロナウイルスの影響があり、オンラインで開催されることになる。14時~16時50分までの時間で、半導体業界で名だたる3名の講演者が顔を揃える。プログラム内容は以下のとおりである。

【プログラム】
◇14:00~14:50
「100兆円の巨大市場に向けて急上昇する半導体産業の無限の可能性」
~自動車業界とデータセンターの巨大投資計画と、世界を覆う半導体の一大増強プラン~
(株)産業タイムズ社 代表取締役社長 泉谷渉
(14:50~15:00 休憩)

◇15:00~15:50
「世界が期待するMRAMは、AI、自動車の分野に拡大してきた」
~メモリー、AI/プロセッサなどのSoCを実現する最先端技術を一気紹介~
東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター センター長 遠藤哲郎
(15:50~16:00 休憩)

◇16:00~16:50
「IoT社会構築には、エッジシステムのプラットフォーム化が絶対条件」
~エッジ・デバイスの特性、機能の方向性を徹底分析~
一般社団法人日本電子デバイス産業協会(NEDIA)代表理事・会長 齋藤昇三

 皆様のふるってのご参加をお待ち申しております。またも泉谷渉は、ひたすら吠えまくることになるのは必定なのであります。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 社長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』、(以上、東洋経済新報社)、『これが半導体の全貌だ』(かんき出版)、『心から感動する会社』(亜紀書房)、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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