5月22日の雨空の中、東京スカイツリータウンがグランドオープンした。ここ数年間、通勤電車の車窓からニョキニョキと天空に伸びる電波塔を眺めながら、開業の日を楽しみにしてきた。オープンの前週にはマスコミ向けの内覧会があり、駆け足で施設内を回った。高く伸びた東京スカイツリーや31階建てのイーストタワーに加えて、東西に長く伸びる東京ソラマチがある。縦軸と横軸が入り組んだ三次元空間に312店が出店しており、迷路に入り込んだ感覚がある。このため、子どもの迷子や高齢者の方々が自分の居場所を見失うことも多いのではと思う。
開業後も現地を何度か訪れたが、最近になってようやく施設構成や各棟、ゾーン、フロアの名称が理解できるようになった。そもそも東京スカイツリータウンは、東武鉄道の物流ターミナル跡地を開発したもので、東西に長い形状が特徴だ。対象エリアは約3万6900m²で、ここの中央に高さ634mの電波塔・東京スカイツリータワーと、そのエントランスとなる低層部分を東西に貫いた商業施設「東京ソラマチ」、さらに最東端には31階建ての東京スカイツリー イーストタワーの3施設を配置した。
もちろん、第一の見所は東京スカイツリーで、地上350mにある「天望デッキ」と450mの「天望回廊」からの眺めが楽しみだが、当面の入場は予約制で、搭乗できるのは今秋以降になるのかなと思う。
東京ソラマチは、1~4階の各フロアがイーストヤード、イーストタワー、タワーヤード、ウエストヤードといった名称で区分されている。さらに、イーストタワーの6~7階にレストラン街の「ソラマチダイニング」と、30~31階に「ソラマチダイニング スカイツリービュー」がある。イーストヤードの7階には、「コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン」、ウエストヤードの駐車場棟5~6階に「すみだ水族館」を配置するなど、東と西、中央のそれぞれのゾーンに目玉となる施設を配置している。
当面は、天望デッキへの搭乗は諦めて、スカイツリータワーのエントランス前広場「スカイアリーナ」から仰向けになっての写真撮影や、東京ソラマチでの買い物や食事を楽しむことが現実的なようだ。開業当初の5日間で100万人以上が来場し、老若男女で賑わい通路に置かれたベンチも満席となった。
意外な穴場は、5階イーストヤードの企業PRフロアである。「産業観光プラザ すみだ まち処」は、地元・墨田区の手工芸品や銘菓を揃え、軽飲食コーナーも充実している。さらに多目的ホール「スペース634」は、様々な特別企画展を随時開催する予定で、新たな発見も楽しみである。
このほか、イーストヤード4階には、東京銘菓や雑貨、キャラクターアイテムといった土産物店が軒を連ねている。500~2000円程度の商品が中心となっており、長尺物のおみやげを複数抱えた来場客も多い。また、東武百貨店はちょっと贅沢で、自慢したくなるような商品を扱っており、来店する意味はあると思う。
女性に人気のスイーツコーナーも充実しているが、ここでは老若男女が集まることから和菓子も豊富に取り揃えている。東京ソラマチ2階のイースト・タワーヤードに店舗が集中しており、タルト専門店「キルフェボン」や、チーズケーキの「チーズガーデン」、くらやグループがプロデュースしたショコラトリー「ジョンカナヤ」が注目される。
さらに、「岡埜栄泉総本家」、せんべいの「富士見堂」、カステラの「銀座文明堂」、くず餅の「船橋屋」など和菓子店も多数出店しており、商品別、価格面で選択肢が豊富である。
アクセスは、最西端に東武スカイツリー線「とうきょうスカイツリー駅」(旧業平橋駅)と、反対側の最東端には京成線・東京メトロ・都営地下鉄「押上(スカイツリー前)駅」と交通広場を配置している。館内アナウンスでは、自家用車による来場は避けてほしいといい、公共交通機関の利用が賢明のようである。
以上、私なりの東京スカイツリータウン観光案内をまとめてみた。来館を予定する方の参考になれば幸いだ。