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経済産業省、工場立地動向調査発表、12年上期の立地は469件・718万m²と増加傾向


2012/11/20

 経済産業省は、2012(平成24)年上期(1~6月期)工場立地動向調査結果(速報)を取りまとめた。これによると12年1月から6月における全国の工場立地件数は469件(前年同期比16.4%増)、工場立地面積は718万m²(前年同期比71.3%増)となった。工場立地件数は、依然として低い水準にあるが、11年上期以降増加傾向にあるとしており、工場立地件数および工場立地面積の低迷は、世界金融危機以降の景気悪化に加え、円高の進行などによる企業の設備投資計画の凍結・見直しや投資意欲の減退、11年3月11日に発生した東日本大震災の影響などが要因と考えられるとしている。
 東日本大震災により災害救助法の適用を受けた7県(東京都を除く、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県および千葉県)での工場立地件数は90件(前年同期52件、73.1%増)、同7県における工場立地面積は157万m²(前年同期60万m²、163.8%増)であった。
 立地件数を移転立地と移転でない立地(自社の既存工場の全部または一部を廃止する計画を伴わない新規立地)の別に見ると、移転立地件数は168件となり、移転でない立地件数は300件となった。移転でない立地件数の割合は64.1%で、前年同期から0.3ポイント増加した。
 企業規模(資本金規模)別立地件数は、資本金1000万~5000万円未満の企業による立地件数が180件となり全立地件数の38.8%を占めた。また、資本金1000万円未満の企業による立地は全体の14.3%にあたる67件となり、前年同期から1.3ポイント減少した。
 借地による立地件数は120件で、前年同期(72件)から48件増加した。全立地件数に占める借地による立地の割合は25.6%で、前年同期から7.7ポイント増加した。
 工業団地への立地件数は206件で、前年同期(200件)比で6件の増加となった。また、全立地件数に占める工業団地への立地割合は43.9%で、前年同期から5.7ポイント減少した。
 県外立地(本社所在都道府県以外への立地)件数は190件、県内立地件数は279件となり、全立地件数に占める県外立地の割合は40.5%となった。県外立地割合は、前年同期に比べ3.3ポイント増加し、1994年以降、最も高い割合となった。
 立地件数を業種別に見ると、立地件数の多い順に(1)食料品77件(構成比16.4%)、(2)金属製品49件(同10.4%)、(3)輸送用機械、化学工業、はん用機械、生産用機械(各28件、同6.0%)の順となった。立地件数が多い業種の内訳のうち特徴的なものを見ると、(1)食料品では水産食料品(前年同期14件→22件)、(2)金属製品では金属素形材製品(前年同期5件→18件)と増加した。一方、立地件数が前年同期比で減少した業種は、化学工業(前年同期34件→28件)、プラスチック製品(前年同期31件→25件)などの9業種となった。
 立地件数を地域ブロック別に見ると、件数の多い順に、(1)東海78件(構成比16.6%)、(2)関東内陸75件(同16.0%)、(3)近畿臨海52件(同11.1%)となり、これら地域で全体の43.7%を占めた。なお、山陰には立地が無かった。また、立地面積では、上位から順に、(1)関東内陸(167万m²)、(2)東海(98万m²)(3)近畿臨海(58万m²)の順となり、これら地域で全体の45.1%を占めた。立地面積の前年同期比では、増加面積が多い順に、(1)関東内陸112万m²(前年同期56万m² →167万m²)、(2)四国32万m²(同20万m²→51万m²)、(3)南九州29万m²(同8万m²→37万m²)となり、面積が横ばいの地域は、北陸1万m²(同34万m²→33万m²)となっている。工場立地1件当たりの立地面積で見ると、四国2.69(万m²/件)、関東内陸2.23(万m²/件)、山陽2.01(万m²/件)で大きく、北東北0.81(万m²/件)で小さくなっている。
 立地件数を都道府県別にみると、立地件数の多い順に、(1)兵庫県(34件)、(2)群馬県(31件)、(3)愛知県(25件)、(4)静岡県(23件)、(5)福岡県、岐阜県(各21件)、(7)埼玉県(16件)、(8)宮城県、茨城県、新潟県(各15件)となった。
 立地件数の前年同期比増減を都道府県別にみると、増加件数の多い順に(1)群馬県(18件増)、(2)岩手県(13件増)、(3)青森県、福島県、兵庫県、熊本県(各7件増)となった。
 立地面積を都道府県別にみると、立地面積の多い順に、(1)群馬県(78万m²)、(2)茨城県(64万m²)、(3)静岡県(48万m²)、(4)兵庫県(45万m²)、(5)千葉県(31万m²)となった。
 工場立地1件あたりの立地面積が大きかったのは、上位から順に(1)香川県(5.56万m²/件)、(2)富山県(5.25万m²/件)、(3)高知県(5.22万m²/件)、(4)茨城県(4.28万m²/件)、(5)山口県(2.92万m²/件)であり、一方で、1件あたりの立地面積が小さかったのは、(1)大阪府(0.45万m²/件)、(2)岩手県(0.53万m²/件)、(3)京都府(0.54万m²/件)、(4)愛知県(0.57万m²/件)、(5)福井県(0.60万m²/件)であった。
 新設立地に当たって重視した項目は、「最も重視した」、「重視した」ともに、「本社・他の自社工場への近接性」が最も多かった。また、例年上位である「地価」は今回も上位となっているが、「工業団地である」、「人材・労働力の確保」も重視されてきている。また、立地に当たって「国・地方自治体の助成」「地方自治体の誠意・積極性・迅速性」を重視したと回答した企業が、411社(有効回答企業数)中、それぞれ、66社(16.1%)、65社(15.8%)あった。
 海外立地を検討した企業は20社(前年同期26社)あり、これらの企業が最終的に国内での立地を選択した理由は「良質な労働力の確保」「関連企業への近接性」が多かった。
 研究所の立地件数は7件で、前年同期比で4件の増加となった。都道府県別では滋賀県が2件、神奈川県、岐阜県、静岡県、大阪府、兵庫県が各1件であった。研究開発機能の付設予定件数は92件で、前年同期比で9件の増加となった。地域別では関東内陸(19件)、関東臨海(14件)、近畿内陸(12件)となった。
 外資系企業(外資比率50%以上の企業)の工場立地件数は3件で、前年同期比で1件の増加となった。地域別では関東内陸、四国、南九州が各1件であった。
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