商業施設新聞
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第229回

(株)JR熊本シティ 常務取締役 中村勇氏


21年春に熊本駅ビル開業
オフィスや住宅も開発し賑わい創出

2020/5/12

(株)JR熊本シティ 常務取締役 中村勇氏
 九州旅客鉄道(株)(JR九州、福岡市博多区博多駅前3-25-21、Tel.092-474-2501)は、熊本駅周辺での開発に注力する。2011年の九州新幹線の開通に伴い利便性が高まったことや、在来線の高架化などにより大型開発が可能になったためで、21年春には商業とホテルを複合した「熊本駅ビル」が開業する。今後の展開について同社事業開発本部開発部熊本開発プロジェクト担当部長(現・(株)JR熊本シティの常務取締役)中村勇氏に話を聞いた。

 ―― 熊本駅ビルを開発中ですが、どのような施設ですか。
「熊本駅ビル」の完成イメージ
「熊本駅ビル」の完成イメージ
 中村 熊本駅周辺で進めている複合開発の核となる建物で、21年春の開業を目指している。1~7階に商業、8階にウエディング、9~12階にホテルを導入した複合施設である。
 商業に関しては、当社が九州エリアの各地で出店している「アミュプラザ」の形態で展開し、九州エリア初進出となる(株)松竹マルチプレックスシアターズのシネコンや各フロアに大型テナントを誘致する。8階のウエディングは婚礼だけでなく、駅立地を生かした会議や宴会などの多目的な利用ができるように機能も備えていく。ホテルについては、19年夏に東京や福岡で開業した当グループの最上位ホテルブランド「THE BLOSSOM」を出店する。客室数は約200室で、全国で3店目となる。駅ビルは、アミュプラザのメーンターゲットである20~40代女性を中心に、ビジネスパーソン、レジャー、ファミリー層を幅広く取り込んでいきたい。

 ―― ここ数年で、なぜ熊本駅での開発が進んでいるのでしょうか。
 中村 以前は車両基地があり周辺の開発は難しく、買い物などの目的性や滞留性に乏しいエリアであった。しかし、11年には九州新幹線開通、その後熊本市が政令指定都市となり、鉄道の高架化事業、土地区画整理事業、駅前広場の整備などのインフラを通じて駅周辺に7万m²の事業用地が生まれたことが開発機運を高めている。

 ―― その上で、どういった狙いで開発を進めていきますか。
 中村 駅周辺で進めている複合開発は「住みたい」、「働きたい」、「訪れたい」街づくりをコンセプトに進める。具体的には駅ビルを核に、20年冬開業を予定している商業とオフィスを複合した「(仮称)熊本駅北ビル」の建設を進めている。1~3階の商業には1テナントを核とした大型施設を誘致する。4~12階には延べ1万m²のオフィスを設ける。オフィスに関してはすでに全体の90%の入居が決定しており、1000人の就業人口増加が見込まれている。さらに定住人口増加のため、賃貸マンションの建設も進めている。

 ―― 西口に用地を取得済みです。
 中村 ここは、低層階に商業、上層階にオフィスを想定した複合ビルを開発する。着工は21年春の駅ビル完成後を予定している。
 さらには、2100台が収容可能な立体駐車場を設けたり、熊本市が駅前広場をバスのサブターミナルとして21年春の駅ビル開業と同時に整備するので、従来からある市電やJRの在来線に加え、あらゆる交通手段で利用しやすい拠点へと生まれ変わらせ、陸の玄関口として、賑わいの拡大を図っていく。

 ―― 熊本市の中心市街地でも開発が進んでいます。どう差別化していきますか。
 中村 19年9月に開業した「SAKURA MACHI Kumamoto」は、商業、ホテル、多目的ホールなど機能が似ている。しかし、当社も「アミュプラザ」を展開することで、市民にとっては買い物の選択肢が増え、全体の消費の拡大も期待できる。単に顧客を奪い合うのではなく、お互いに高め合って、熊本市内の2大商業地になればいいと思っている。

 ―― 今後の抱負を。
 中村 熊本駅周辺に新しい街ができる中で、駅ビルに3000人、オフィスに1000人が就労し、マンションの定住者が1000人増加すると見込んでいる。このような人々の交流人口を拡大することで、街の魅力度を向上させ、熊本市内を活性化させていきたい。

(聞き手・北田啓貴記者)
※商業施設新聞2341号(2020年4月14日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.332
※本インタビューは20年1月31日に実施したものです

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