商業施設新聞
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No.740

おじさん・進撃・銀ぶらで新年コト消費はじめ


笹倉 聖一

2020/1/21

 「おじさんの森」(バンダイナムコアミューズメント)や「進撃の巨人」(CAセガジョイポリス)、「銀ぶらちゃんぽん」(リンガーハット)の体験会や試食会に、2019年末に参加した。20年のコト消費はじめにもふさわしいアミューズメント(AM)や食事と感じたので紹介したい。

 (株)バンダイナムコアミューズメントは、テーマパーク「ナンジャタウン」(東京・池袋)で、新体験イベント「おじさんの森~あなたはきっと、おじさんの魅力に迷い込む~」(入園料+600円)を2月2日まで開催している。同イベントは、「うんこミュージアム」などを手がけた(株)カヤック(神奈川県鎌倉市)とナンジャタウンの初協働によるもので、“おじさん”をより前向きに魅力的に捉えられる新体験が目白押しのイベントとして、20~34歳の女性をメーンターゲットに開催している。

 おじさん記者(筆者)も、世の中で“おじさん”が好意的に受け入れられると喜ばしく思えるので、興味津々で体験会に赴いた。開発に携わったカヤックの香田遼平氏は「19年4~5月に両社の初協働が決まり、AMとして何がおもしろいかを考え、同年8月に“おじさん”のキャラクターをイベントに起用して、新しい価値観を生み出そうと判断した」と話す。

ナンジャタウン総支配人の毛塚広治氏(上段左)、カヤックの香田遼平氏(同右)
ナンジャタウン総支配人の毛塚広治氏
(上段左)、カヤックの香田遼平氏(同右)
 イベントでは、おじさんが持つかわいらしさや魅力をテーマに、個性豊かな12人のおじさんキャラクターが登場する。体験者がおじさんのにおい(臭くない)を嗅ぎ、においの元になったおじさんを探し出す「くんくんクエスト」では、リアルなおじさんが園内に現れる。近づいて、実際に会話をすることで、魅力を堪能できる仕組みになっている。うんこの次は、20年におじさんが流行するのか注目である。

 CAセガジョイポリス(株)は、東京・台場の屋内型テーマパーク「東京ジョイポリス」で今冬の目玉として、人気TVアニメ「進撃の巨人」と協調した「進撃の巨人 THE ATTRACTION ~決断~」をアテンド型ウォークスルーアトラクションとして19年12月から営業(入場料+600円)している。報道向け体験会に参加すると、訓練兵入団試験会場に連れて行かれ、綺麗な女性司令官から様々な命令を受け、記者たちは照れ臭そうに従っていた。

女性司令官から命令を受ける訓練兵
女性司令官から命令を受ける訓練兵
 音響や照明、特殊効果のギミック(ちょっとした仕掛け)に加え、映像や造形でリアルサイズに再現された巨人や、キャラクターたちの登場により、本当に『進撃の巨人』の世界に入り込んだような感覚を味わった。道中のゲストの「選択」によってルートが変わり、複数種類の演出が楽しめ、感激である。

 さらに(株)リンガーハットは、東京・銀座で開店した長崎・卓袱料理の「浜勝銀座本店」が19年11月23日に開業1周年を迎えたことから、その記念商品として「銀ぶらちゃんぽん」を同店限定で提供(1500円)している。長崎産焼きあごの豊かな旨みと、じっくり煮込んだ野菜と鶏ガラのスープで仕立てている。試食会場には米濵和英会長が現れ、海の幸と、旬の国産野菜たっぷりの長崎こだわりの味について、熱く語った。

銀ぶらちゃんぽんについて語る米濵和英会長
銀ぶらちゃんぽんについて語る米濵和英会長
 出席した報道陣は、美味しさのあまり食べることに熱中し沈黙してしまう有様で、店の担当者は「まるでカニ料理を食べているときのように静かだ」と微笑していた。中には「この食材とおいしさの体験に、1500円の価格設定では安過ぎるのではないのか」と感嘆する記者もいた。「食」は、コト消費の代表格として、商業施設でもその集客力が期待されている。20年も様々な話題と楽しみを提供してくれることだろう。

 様々なコト消費が20年も話題を呼びそうだ。おじさんや巨人、銀ぶらで新年のコト消費を体験し、20年の流行の方向性を占ってみてはいかがか。
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